福沢諭吉 と「ブラック企業」化の関係は?
秋の臨時国会に、日本の「ブラック企業」化を加速化させる法案が提出されます。私は、今日の日刊IWJでこのことを知ったとき、(安倍首相が尊敬してやまない)福沢諭吉の以下の言葉を思い出しました。
「最も恐るべきは貧智者」
その意味は「貧しいものが教育によって人権に目覚めることは脅威である」ということです。福沢諭吉は工場で働く児童に対する教育にも反対していたそうです。福沢諭吉の「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず・・・」という言葉は有名ですが、これは実は誤って解釈されているものなのです。彼の教育論は「富国のため」であり、「国民のため」ではありません。「万民が等しく教育を受ける権利」を主張しているのではなく、富国のために必要な教育を施すことが必要と主張していたのです。
(➡「福沢諭吉の教育論と女性論」 http://blog.kameriki.info/?eid=463)
「北朝鮮の脅威」が叫ばれている今こそ、他国から見れば「大日本帝国の脅威」だった時代を勉強し直したいものです。そういう目覚めた国民が増えることを、権力者と言われる人達が最も恐れている。 だから国民がそういう余裕を持たないように、故意に過労死させるような法律を作る。 そのことを福沢諭吉は正直にも私たちに教えてくれています。
2017年 9月15日 セワヤキ
福沢諭吉 語録「最も恐るべきは貧にして智あるものなり」
日本の女性、農民、労働者など、一般大衆に対して
「最も恐るべきは貧にして智あるものなり」
「土百姓」「下民」「愚民」「下等社会素町人土百姓の輩」
「百姓町人の輩は…社会の為に衣食を給するのみ。獣類にすれば豚の如きもの・・・」
「賤業婦人」などと、娼婦たちを差別的な呼称で呼んでいる
朝鮮、中国、台湾について
「朝鮮国…国にして国に非ず」
「朝鮮人は未開の民…極めて頑愚…凶暴…」
「朝鮮人…頑迷倨傲…無気力無定形」
「朝鮮人…上流は腐儒の巣窟、下流は奴隷の群衆」
「朝鮮人…人民は正しく牛馬豚犬」
「我輩が斯く朝鮮の事を憂てその国の文明ならんことを冀望し、遂に武力を用いてもその進歩を助けんとまでに切論するもの」(1882年「朝鮮の交際を論ず」)
「朝鮮…小野蛮国にして…彼より来朝して我属国と為るも之を悦ぶに足らず」
「ちゃんちゃん」などと中国人を差別語で呼ぶ
「皆殺しにするは造作もなきこと」
「支那兵の如き……豚狩の積りにて」
「北京中の金銀財宝をかっぱぎて…チャンチャンの着替えまでひっぱいで持ち帰ることこそ願はしけれ」
「戦争も甚だ有益なるもの」
「無遠慮に地面を横領して、わが手を持って新築するも可」
「一人も余さず殺戮して醜類を滅ぼすべし」
「圧制もまた愉快なるかな」1882年3月に書かれた論説の題名
「英国人民の圧制を羨むのほかなし」
「その英人をも奴隷のごとくに圧制して、その手足を束縛せんものをと、血気の獣心、おのずから禁ずることあたわざりき」
「圧制を憎むは人の性なりと言うといえども、人の己れを圧制するを憎むのみ。己れ自ら圧制を行うは、人間最上の愉快と言いて可なり」
「…我輩が外国人に対して不平なるは、なおいまだに彼の圧制を免れざればなり。 我輩の志願は、この圧制を圧制して、ひとり圧制を世界中にもっぱらにせんとするの一事あるのみ」これは世界征服宣言である。その理由も、自存自衛のためではなく、愉快だから。
名古屋大学名誉教授・安川寿之輔氏にインタビューして
http://iwj.co.jp/wj/fellow/archives/166258 )
(…)明治維新後、欧米の帝国主義諸国と列をなす決断をした日本政府にとって、日本列島の目と鼻の先に位置する朝鮮半島をいかにして勢力下におさめるかということが、焦眉の課題となった。朝鮮半島の権益をめぐり、1894年に勃発した日清戦争を前に、福沢諭吉はさかんに朝鮮に対する武力侵略を主張している。 安川氏の資料の中には「自分が罪の意識なしに平気で中国人を殺せる『東洋鬼』になったのは、小学校の時から『中国人はチャンコロで豚以下』という日本社会の蔑視観のせい」という旧日本兵の証言もある。
安川氏によれば、福沢は朝鮮を「半開国」と位置づけ、「文明国」である日本により、武力を用いて侵略されて当然である、と考えていたのだという。この点において福沢は、現在の「ヘイトスピーチ」にも相通じるような、朝鮮を蔑視する記述を数多く残している。(…)
安川氏は、仮に福沢諭吉がアジア・太平洋戦争の時代にも生きていたら、旧日本軍による従軍慰安婦制度に反対することはなかっただろう、と語る。福沢は、近代日本の家父長的、差別的な女性論を体系化した人物であり、とりわけ、公娼制を外国に輸出することまで主張していた人物であるからだという。福沢が、娼婦たちを「賤業婦人」などと、差別的な呼称で呼んでいる記録も残っている。
「福沢は、アジア諸国民に対して、差別意識をむき出しにして、日本国民がそれを血肉とするまで扇動した人物です。彼の戦争勝利への異常な熱意を考えると、『野蛮』なアジアの女性を犠牲にすることは厭わなかったでしょう」安川氏はこのように語り、福沢にはアジア諸国と女性に対する差別意識が根強く存在し、そのような福沢を「リベラルな知識人」としてありがたがってきたという戦後日本社会の思想の枠組みが、現在の歴史認識問題の根底に存在すると語った。
巷にヘイトスピーチが横行し、書店にヘイト本があふれ、格差拡大がどんどん進行し、解釈改憲や集団的自衛権や秘密保護法やら、再び差別と戦争のできる国家になろうとしている日本。差別と貧富の格差と戦争は一体だ。
・「福沢諭吉のアジア認識―日本近代史像をとらえ返す」安川 寿之輔 (高文研)
・「福沢諭吉の教育論と女性論」安川 寿之輔 (高文研)
・「福沢諭吉朝鮮・中国・台湾論集〜国権拡張脱亜の果て」杉田聡編(明石書店)
・「戦争の代償と歴史認識」http://iwj.co.jp/wj/open/archives/118697
・「福沢諭吉の正体 アジア蔑視と侵略戦争で果たした役割~日本の近現代史を問い直そう~」http://iwj.co.jp/wj/open/archives/277901
(以上、IWJの記事参考)
臨時国会の最重要法案「働き方改革関連法案」に決定!
「安保法案」と同じ「一括法案」で「残業代ゼロ」「裁量労働制の拡大」狙う! 連合は早くも迎合態勢?(日刊IWJガイド15.09.2017http://iwj.co.jp/info/whatsnew/category/guide)
(・・・)自民、公明両与党の幹事長らが一昨日9月13日に会談し、秋に開かれる臨時国会で、いわゆる「働き方改革関連法案」の成立に全力を挙げる方針で一致しました。法案の中身は「働き方改革」というより「働かせ方改革」というべきで、大企業や経営者側だけがニンマリし、労働者からは悲鳴が上がるような内容となっています。法案は労働基準法やパートタイム労働法、労働者派遣法改正案など、計8本を一括しており、中には「残業代ゼロ法」制度や裁量労働制の対象拡大などが紛れ込んでいます。
複数の法案をごっちゃ混ぜにし、ドサクサに紛れて悪法を成立させてしまう手口は、10本の法案を一括してまとめ、違憲のはずの集団的自衛権の行使を合法化した「安保法案」の手口を彷彿とさせます。
残業代ゼロ、いわゆる「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)は、年収1075万円以上の専門職を対象に、「仕事の進め方を労働者の裁量に委ねる」という名目で1日8時間、週40時間の労働時間規制を撤廃。残業代や深夜・休日手当も支払われません。
「裁量労働制の対象拡大」は、実際の労働時間ではなく、「みなし労働時間」に基づき賃金を支払う裁量労働制を、企画立案を手がける営業職などにも拡大するという主旨。高プロとともに「過労死を助長する」として厳しい批判が集まり、2年間も審議入りできなかった、いわくつきの法案です。また、時事通信https://www.jiji.com/jc/article?k=2017091300574&g=pol などは「働き方改革関連法案」を、「長時間労働の是正を柱とする」法案だと報じていますが、これは完全なるミスリードで、悪意さえ感じられます。「長時間労働の是正」を謳いながら、その中身は、最長で「月100時間未満」「年720時間」で、これは「過労死ライン」に相当します。過労死レベルの残業を合法化して、何が長時間労働の是正なのでしょうか。
高プロは「年間104日以上の休日義務化」を加えましたが、これは要するに「週休2日」に過ぎず、「月100時間の残業」が、週休2日休みの場合、毎日5時間も残業させていいことになりますから、何の歯止めにもならないことは明白。(・・・)
安保法案や共謀罪法案など、重要法案が出るたび、野党側から「修正協議を求める」とする意見も出ましたが、一度でもよい方向に実ったことがありません。国民は安倍政権にも疲れていますが、こんな「茶番」をくり返す野党や連合にも愛想を尽かしていると思われます。(・・・)
ブラック企業問題などについての記事
※連合は勝手に労働者を代表するな ~安倍政権が目論む「残業代ゼロ」法案に勝手に賛成を表明した連合執行部に対する怒りの抗議 2017.7.19 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/391191
※過労死ラインを大幅に超える残業上限月100時間を合法化する「長時間労働規制法案」の矛盾!~安倍政権と肩を並べる経団連・榊原定征会長と連合・神津里季生会長の対立 2017.3.9http://iwj.co.jp/wj/open/archives/367348
※「生きさせろ!」大企業優遇をやめて、一般労働者が当たり前に生きられる社会を~宇都宮健児弁護士・雨宮処凛氏らによるパナマ文書に関する緊急記者会見 2016.4.27http://iwj.co.jp/wj/open/archives/299702
※“ブラック社会”の合法化に王手!? 破壊される「労働者保護」の“戦後レジーム” 世界的な派遣大国、長時間労働国・日本の未来を問う――吉良よし子議員、笹山尚人弁護士に岩上安身が訊く! 2015.6.26 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/250646