中村哲氏は誰に殺された?
◆中村さん悲報「先生も、息子も、なぜ」08年に犠牲になった伊藤和也さんの両親2019.12.6 https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201912/CK2019120602000141.html
◆「伊藤和也さんは他のNGOに殺された」藤永 茂 (2008.9.10)https://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/364f8cb22145a097a1282b8dbed926cb
(…)これから述べることは全く私個人の意見であって、その内容について誰にも相談していないことを明記しておきます。文責は完全に私にあります。(…)アフガニスタンの人々は「アメリカ政府は我々をタリバン主義からNGO主義に押しやった」と言っている。(…)世界の政治的経済的現実の中でのNGOの本質とは何でしょう。(…)それは「権力による人民操作(manipulation of people)のアウトソーシング(outsourcing)」です。政治権力側にとって、アウトソーシングの最大の利点は、責任をうやむやに出来ることです。そのよい例がイラクで活躍しているブラックウオーターなどの傭兵会社です。正規のアメリカ軍兵士が戦死すれば正式に報告しなければなりませんが、金で雇ってきた私企業会社の社員の死にはその必要はありません。ましてや、そうした雇われ兵士が第三世界の貧困社会からのリクルートであれば、処理は簡単です。見殺しにすればそれでよろしい。(…)私は、すべてのNGOに対する挑戦として、会計の公開を要求します。(…)私は、ペシャワール会が、如何なる政府からも、ジョージ・ソロスやビル・ゲーツなどの“大慈善家”からも、びた一文とて受け取っていないことを知っています。(…)土地の人々を援助しているNGOの要員が四六時中身辺の警護を必要とするという現実が何故アフガニスタンで生じているのか。この責任は、アフガニスタンを占領している外国勢力と、その政策に加担して、タリバンに代わって民心を操作し、そのついでに自己利益もあげようという多くのNGOが背負うべきものであります。私が「伊藤和也さんは他のNGOに殺された」と言う理由は将にそこにあります.
◆侵略の共犯―侵略者のウソに加担する者の罪(7)桜井元https://blog.goo.ne.jp/goo1818sigeru/e/2cf6cc3e70927d83f17433d23a526c7b (…)かなりNGOの批判を続けてきたが、もちろんすべてのNGOが問題というわけではない。アフガニスタンで長年にわたって支援を続けてこられた中村哲氏が凶行の犠牲となられたが、氏の活動などは本当に尊敬すべきものであり、ここに心からのお悔やみを申し上げたい。不思議なのは、日本国内はもとより世界中で中村氏の死を悼む声が広がるなか、「アムネスティ・インターナショナル」、「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」、「国境なき医師団」などからは何も言葉が発されていないのだ。それぞれの中央本部と日本支部のサイトやツイッターを見ても、何も中村氏の死に触れていないのだ。同じ国境を越えたNGOとして、国境なき医師団などの場合は同じ医師として、中村氏の死を悼み、許しがたい暴挙に対し一言くらいメッセージを発してもよいと思うのだが。(…)
◆中村哲氏「アフガニスタンに生命の水を」2015年の講演2019.12.5 https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/14551
(…)空爆は激しかった。日本人の空爆の記憶は、おそらく太平洋戦争で途切れているが、最近の戦争はあれ以上に高性能で、巧妙で、非人道的な爆弾が使用される。ボール爆弾や、人間だけを死傷するクラスター爆弾が大量にばらまかれた。一方で「人道的」支援と称して食料を投下するが、クラスター爆弾とまったく同じ黄色い包みに食料を入れて落とす。それを拾いに行った子どもたちが犠牲になるなど、犠牲になったのは子どもや女性、お年寄りなど弱い人人だった。
日本に帰ってきたときは異様な雰囲気だった。(…)軍事評論家が出てきて「アメリカがおこなう空爆はピンポイント攻撃であり、悪いやつだけをやっつけて、一般人には手を加えない人道的な攻撃だ」といっている。(…)日本人が見せられたのは爆弾を落とす側の映像で、落とされる側の映像はほとんどなかったと思う。世界的に戦争が正当化されるなかで、だれが犠牲になっていったかを考えると収まらないものがある。無差別爆撃のなか、食料を配ることは至難の業だった。(…)
米軍の進駐後 麻薬と売春の自由現出
タリバン政権が11月になって崩壊し、米軍の進駐が始まった。世界中で「極悪非道の悪のタリバンをうち破り、絶対の自由と正義の味方、アメリカおよびその同盟軍を歓呼の声で迎える市民の姿」「女性抑圧の象徴であるかぶり物を脱ぎ捨てて、自由をうたう女性たちの姿」の映像が、くり返し嫌というほど流された。この戦争に反対していた人も「そんな悪い人たちがやられるのならよかったのではないか」となり、アフガニスタンは忘れ去られていった。
実際には何ができていったか。それはケシ畑だ。タリバン政権はよくない面もあっただろうが厳格な宗教制度によってケシ栽培を徹底的に取り締まり、ほぼ絶滅していた。それが盛大に復活し、数年を待たずしてアフガニスタンは、世界の麻薬の90%以上を供給する麻薬大国となった。解放されたのは「ケシ栽培の自由」「女性が外国人相手に売春をする自由」「働き手を失った人人が街頭で乞食をする自由」「貧乏人が餓死する自由」だといって間違いではないと思う。(…)
◆アフガニスタンに対するアメリカのごまかしの姿勢に関する汚らわしい真実 2019.12.2 http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/12/post-2aac09.html
(…)何万人ものCIAや国務省やUSAIDや他の無名の「闇組織」がヘロイン生産のみならず、アメリカ占領の本当の狙いである国内混乱を維持できると想定している。だがタリバンは違う考え方をしており(…)彼らの姿勢は明快だ。▶アメリカの麻薬密売は終わらせなくてはならない ▶全てのアヘン生産は止めなくてはならない、アメリカは、アフガニスタンを麻薬国家から、犯罪的でない経済に移行するのを、財政的に責任を負うべきだ ▶アメリカが支援する麻薬業界に「中毒にさせられた」500万人のヘロイン中毒者に希望を与えるプログラムにも資金提供が必要だ
アフガニスタンを一世紀にわたって損なう経済環境をアメリカは意図的に作ったのだ。宝石や希土類元素や他の未発見資源は自由に略奪可能な状態で、そのまま続く可能性が高い。(…)
◆中村哲医師の肖像画を尾翼に掲げた写真、アフガニスタンの航空会社が投稿。「いつまでも恩義を感じることでしょう」https://www.huffingtonpost.jp/entry/nakamura_jp_5dec647fe4b05d1e8a52906b
◆政府、自衛隊中東派遣を閣議決定 1月下旬に活動開始~独自に情報収集2019.12.27 https://www.jiji.com/jc/article?k=2019122700260&g=pol
「調査・研究」を口実にして、「閣議決定」どころか防衛相の指示だけで、これまで自衛隊の海外派遣を実施してきたということです。めだたないように、気づかれないようにして、国民主権をなし崩しにしてきたんだなあと感じました。 2019年12月28日 セワヤキ