ウクライナの真実 Ⅲ ロシア側にとっての「NATO東方拡大のレッドライン」が何かをNATOが知っていながら知らぬふりをしていたことの「罪」
♣「露軍のウクライナ侵攻」問題を比喩で理解してみる
《寒い冬の朝、外回りの水道が凍って破裂し(プーチンの武力侵攻)、水がはじき出しているのを発見。流れ出る水をバケツに溜める(難民救助)ことはよいことだけれど、根本的な解決法にならないことは明らか。また、流れ出る水を力で押し戻すように子分に申しつける(武器を与えてウクライナに戦わせる)ようなのは、役立たないばかりか、より多量の水が無益に失われる(より多くの人命が失われる)だけ。最重要なのは、まず第一に、一刻も早く、水道の元栓を閉める(即時停戦協定を結ぶ)こと。 その後、何故こんな事が起きたのか、じっくり反省(NATOの東方拡大、米国の関与など、ロシアを追い詰めることになった原因を分析/認識)しなくてはならない。そして、これからは冬に備えて水道の元栓はきちんと閉めておく(核のボタンを持つ国とは武力や策略ではなく、相互理解に役立つ外交政策で対処する=Win-Winの関係に努める)ように固く決心する。》
♣ロシアの考える「NATO東方拡大のレッドライン」のことをNATOが知っていながら知らぬふりをしていたことの「罪」 ――【日刊IWJ 2022.03.10】より
■ WikiLeaksが米国の重要外交文書「ロシアのNATO拡大のレッドライン」を暴露!米国は2008年時点で、NATOの東方拡大に対し、ウクライナ内戦もロシアの反撃も予想していた! にも関わらずNATOは1991年以降ウクライナに関与し続けていた!各国の機密外交資料を暴露することで知られるWikiLeaksが、3月6日に重要なツイート行いました。このツイートで暴露された外交資料は、2008年にウィリアム・J・バーンズCIA長官(当時は駐モスクワ米国大使)が、米国本国に打った電報です。
電報のタイトルは「ロシアのNATO拡大のレッドライン」
※2022.03.06のWikiLieksのツイート
https://twitter.com/wikileaks/status/1500197706664267776?s=20&t=we8zz4VxUTGaILVhLbRryg
https://wikileaks.org/plusd/cables/08MOSCOW265_a.html#efmBTnBfi
■ 重要!! NBC放送とマイクロソフトが共同で設立したニュース専門放送局、MSNBCが「ロシアのウクライナ侵攻は回避できた可能性がある」と論じる!
NATOは東方拡大だけではなく世界情勢に積極的に介入! 1インチも東方に拡大しないという「1インチの約束」は複数の西側諸国によって複数回行われ、記録にも残っている! 問題はNATOのその後の行動!
NATOの東方拡大に対するロシアの懸念は深刻であり、その反発は放置したり、見て見ぬふりをしていていいものではありません。
MSNBCのゼースハン・アリーム氏: 「1990年、西側諸国はドイツの再統一と新生ドイツがNATO加盟国となることを合意する代わりに、NATOがこれ以上東方拡大しないことをソ連に信じ込ませてしまった。最も有名なのは、ジェームズ・ベーカー米国務長官がかつてソ連の指導者ミハイル・ゴルバチョフに、この合意と引き換えにNATO同盟は『1インチも東進しない』と保証したことだが、2018年にプリンストン大学の故スティーブン・コーエンが指摘したように、実はこの誓いは複数の西側諸国が複数回行っていたのである。 こうした確約は守られず、NATOは何年もかけて東進し、ロシアの国境まで多くの国々を含むようになった。これは「罪」であると、コーエン氏は語っています。 『アメリカの原罪はゴルバチョフとの約束を破ったことだ』とコーエンは言った」
このゴルバチョフ書記長(当時)とベーカー国務長官(当時)との「1インチの約束」は、ジョージ・ワシントン大学のナショナル・セキュリティ・アーカイブの資料に記録されています。
※Memorandum of conversation between Mikhail Gorbachev and James Baker in Moscow.(ジョージ・ワシントン大学ナショナル・セキュリティ・アーカイブ、2022.03.09閲覧)
♣ウクライナ問題《当時はマイダン》についてシリーズコラム『小手川大助通信』2014.03.20 https://cigs.canon/article/20140320_2453.html
(…)極右政党の歴史などについては別の章で詳しく述べるが、今回政権の一角についた政党のスローガンのうち、特に目を引くものとして以下のものがある。
「ウクライナは至高の存在」、「ウクライナ人のためのウクライナ」、「ウクライナに栄光あれ、敵には死を」、「モスクワの連中を刺し殺せ、ロシア人を削減せよ、共産主義者を絞首刑に」
最後に、3月3日にチュルキンロシア国連大使によって明らかにされた、ヤヌコーヴィチ大統領からプーチン大統領あての3月1日付けの手紙を紹介したい。その内容は以下の通りである。
「欧米諸国の影響の下、テロと暴力が(ウクライナにおいて)横行している。人々は、言語や政治的信条のために処刑されている。この観点から、合法性、平和、法と秩序、安定そしてウクライナの人々を守るために、ロシア連邦の軍を使うことをプーチン大統領に要請する。(…)
♣《最後に一言: 神保さんによる伊勢崎さんのインタビュー動画を繰り返し見ています。頭だけの理論でないので、停戦交渉をすすめるための具体的方法など、説得力があります。伊勢崎さんの見方を一言でいうと、この問題は「NATOの自分探し」だということ。《その心は=冷戦終結によって失われたはずの「自分の存在意義」を求めて、「悪の枢軸」「テロとの戦い」など敵を作り出し、自己の存在を正当化しようとする働き)
神保さんによる概要: NGOや国連の職員として世界各地の紛争処理や武装解除などに当たった経験を持つ伊勢崎賢治・東京外語大学教授は、ロシアを軍事侵攻に踏み切らせた要因として、冷戦終結後の「NATOの自分探し」をあげる。(…)》
必見⇨ https://www.videonews.com/interviews/20220305-isezaki