「種子法廃止」され、次狙いは「種苗法改正」!
※必見➡「種子法廃止 ~いのちは1つぶのたねから生まれる」講師 印鑰智哉氏2019.2.2 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/441078 (現在、全編動画・視聴可!)
※「種子法廃止」を問い直す2018.12.22 東京新聞http://www.tokyo-np.co.jp/article/culture/hiroba/CK2018122202000224.html (以下、抜粋)
元農相の山田正彦氏∶ 日本市場を狙った遺伝子組み換えの稲も、すでに用意されています。そもそもこの国は、世界で最も遺伝子組み換え作物に寛容な国なんです。欧州連合(EU)やロシア、中国の習近平さんも「作らせない」と言いだしました。ロシアでは遺伝子組み換え作物の輸入も一切禁止されています。日本では遺伝子組み換えの農作物の栽培認可件数だけで三百件以上、当の米国よりはるかに多い。環太平洋連携協定(TPP)の批准後に承認件数を激増させました。
その上、日本の環境省は今年八月、米農務省に続いて「ゲノム(全遺伝情報)編集は遺伝子組み換えではない」との見解を出しました。ゲノム編集技術は未知のもの、環境や人体への影響も定かでない。だからEUでは予防原則に基づいて、遺伝子組み換えと同じ扱いをすることになっています。日本と米国は、世界の潮流に取り残された、かなり異質な国なんです。
山田∶ 種子法廃止に続く第二弾というわけではないんでしょうが、来年(2019)の通常国会には、種苗法の改正案が出てくるとみています。
農家が買い入れた種や苗を増やして使う「自家増殖」。一九九一年に結ばれた「UPOV(ユポフ=植物の新品種の保護に関する)条約」は、「育成者権」の保護を名目に、原則これを禁じています。種や苗は企業の知的財産だから、勝手に増やしてはいけないというわけです。しかしさすがに日本の種苗法は、自家増殖を「原則容認」として、“例外的に”禁止するべき作物を省令で定めてきた。それを「原則禁止」に百八十度転換すると言うんです。
山田∶ (種子法で守られてきた)コメも大豆も麦も種の自家採種を禁止して、遺伝子組み換え技術で作った種子を、日本の農家に作らせる。農薬と化学肥料をセットにね。これが米国の、多国籍企業の狙いではないのかな。それには、種子法と種苗法が邪魔だった-。
飯尾∶ それにしても分からない。なぜ、種といい、水といい、漁業権を開放する海といい、この国にとってかけがえのない“命のタネ”を、政府というか、政権はいともたやすく、他国に売ろうとするのでしょうか。
山田∶ よく分かりませんが、沖縄に見るように、政府の上に米国がいて、さらにその上に多国籍企業がいるんでしょうか。 だからというか、私たち「日本の種子(たね)を守る会(➡https://www.taneomamorukai.com/)」は、“地方”の議会や消費者に呼びかけているんです。都道府県の議会に対して、種子法に代わる条例をつくろうと。
これを最初に新潟県議会がやったんです。兵庫県でも酒米が危ない、酒の味が変わってしまうと、種子条例を制定してくれました。埼玉では農家出身の自民党議員が中心となって「埼玉県主要農作物種子条例」を通し、山形が通し、富山が通し、北海道がやる、長野もやる。国の種子法が廃止されても、各県がそれをつくってしまえば、それで十分賄える。それが二十も三十も広がれば、政府としても、予算措置をせざるを得なくなるはずです。(活路は共助による資源管理!)
山田∶ “国”だって本当は分かっていると思うんです。先の通常国会に、野党六党が種子法廃止撤回法案を共同で提出したんです。わずか三時間ほどですが、与党も審議に応じてきたんです。法案は、与野党一致で継続審議になっています。まだ、生きているんです。
※日本の農と食の安全が危ない!講師 鈴木宣弘・東大教授2019.1.26
必見➡https://iwj.co.jp/wj/open/archives/440546 ( 動画第一部4:55 ~1:28:39 )
※種子法廃止や種苗法改定に潜む危険 外資が種子独占し農業を支配する構造
必読➡https://www.chosyu-journal.jp/shakai/8086 2018.5.24 (以下、抜粋)
…アメリカでは2011年に「食品安全近代化法」が成立した。これは、国民が自分で野菜を栽培することを禁止するものだ。これまで自由だった家庭菜園をとり締まり、個人が種苗を持つことを禁止、政府が認める種苗だけ公認機関から買うことができる。家庭菜園でつくった野菜を直売所で販売すると逮捕・投獄する権利が認められ、連邦政府の規則に違反して有機製品を輸送すると犯罪者となる。種子の貯蔵も犯罪になる。
この法律の狙いは、モンサントなど大企業にだけ種子を独占させ、農業生産を大企
業の傘下に置くことにある。「種子を支配する者は世界を支配する」といわれ、種子を支配することによって農業を支配し、世界の食料を支配するというのが多国籍企業の狙いだ。
…モンサントなどバイオメジャーは20年前から日本の種子市場を狙ってきた。すでに野菜の種子は多国籍企業に支配されている。30年前まで野菜の種子はすべて国産だったが、今では90%以上を外国産が占めている。
バイオメジャーによる種子支配の企みは中南米でもおこなわれてきたが、手痛い反撃を受けて失敗を重ねている。メキシコでは…。コロンビアでは…。チリでもほぼ同様の法案が下院を通過する事態となったとき、広範な反モンサント、反GMO(遺伝子組み換え作物)の運動が全国的に高揚し、2014年3月に同法案は廃案となった。グアテマラでも2014年にまともな審議もされないまま同様の法案が議会を通過し成立した。これに農民や市民の激しい抗議が起こり、同年9月最高裁はこの法律の無効を宣言した。ベネズエラでも、同様の法案が登場したが、反対運動が盛り上がり、逆に遺伝子組み換え種子を禁止し、農民の種子を独占・私物化することを禁じる法律が制定された。…