ロシア破壊のシナリオがあった! 2019年版シナリオを見る
♣ロシアを破壊する方法。2019年ランド研究所報告:「ロシアを無謀な拡張に向かわせ、バランスを崩させる」 以下はマンリオ・ディヌッチ (Manlio Dinucci)が2019.05.25に公開した評論記事。ランド研究所報告:「ロシアを無謀な拡張に向かわせ、バランスを崩させる」の要約が掲載されている
<記事翻訳 寺島メソッド翻訳グループ2022.07.09 http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-972.html>
(…)ランド研究所は、ソ連に自国の経済資源を消費させる戦略的対峙を強いることで、米国が冷戦に勝利するための長期戦略の精緻化に貢献したと自負している。 ランド研究所が発表した新計画「ロシアを無謀な拡張に向かわせ、バランスを崩させる」の着想は、このモデルから得たものである。
彼らの分析によると、ロシアは米国にとって特定の基本的な分野で強力な敵であることに変わりはない。この敵に対処するためには、アメリカとその同盟国は、ロシアの脆弱性を突く長期的な共同戦略を追求する必要がある。そこでランド研究所の分析家たちは、ロシアのバランスを崩させるための様々な手段を分析し、それぞれについて成功確率、利点、費用、そしてアメリカにとっての危険を示している。
ランド研究所の分析家たちは、ロシアの最大の脆弱性は、石油とガスの輸出に大きく依存しているが故の、経済の脆弱性であると推定している。制裁を強化し、米国のエネルギー輸出を増やすことで、これらの輸出による収入を減少させることができる。その目的は、欧州にロシアの天然ガスの輸入を減らし、他国から海上輸送される液化天然ガスで代替することを義務づけることである。
また、長期的にロシア経済を不安定にする方法として、有能な人材、特に高い教育水準を持つ若いロシア人の移住を促進することが挙げられる。
政治的観念や情報の分野では、ロシア国内での争いを煽ることは必要だが、同時に、国際フォーラムからの排除や、ロシアが主催する国際スポーツ大会への棄権など、対外的にロシアの印象を低下させることも必要であろう。
地政学的には、ウクライナを武装化することで、米国はロシアの外的脆弱性の中心点を突くことができる。しかし、そうするためには、大きな衝突に陥ることなくロシアに圧力をかけ、慎重に計算する必要がある。そして米国は勝利を手にすることになるだろう。
軍事面では、対ロシア戦略として機能する陸上部隊をNATO諸国から増やすことで、米国は低い費用と危険で高い利益を享受することができるだろう。
米国が高い成功確率と大きな便益を手にすることができるのは、さしたる危険も負わず、特に対ロシア向けの戦略爆撃機と長距離攻撃ミサイルに主に投資することによってである。
INF条約を離脱し、ロシアに照準を合わせた新たな中距離核ミサイルをヨーロッパに配備することは、高い成功確率をもたらすが、危険度も高いだろう。
それぞれの選択肢を望ましい効果が得られるように調整することによって、ロシアは対立の中で最も厳しい代償を払うことになるが、それ故アメリカもまた他の目的のために利用できなくなる膨大な資源を投入しなければならなくなるだろう、とランド研究所の分析家たちは、結論付けている。これは、米国とNATOの軍事費が今後大幅に増加し、社会的な予算に赤字が生じることへの事前の警告でもある。
これが、ランド研究所が念入りに練り上げた私たちの未来である。ランド研究所はディープ・ステート(闇の国家)の最も影響力のある政策研究所、つまり経済・金融・軍事のオリガルヒ(財閥)たちが実権を把握する地下司令部であり、アメリカのみならず西欧諸国全体の戦略的選択を決定している。
この計画で示された「選択肢」は、実際には同じ戦争戦略の別の形に過ぎず、その犠牲と危険の代償は私たち全員が支払うことになる。
♣ウクライナ侵攻「予言」したランド研究所のレポートが話題。台湾有事煽る米政権の戦略とシナリオが「酷似」と 岡田充 共同通信客員論説委員 2022.06.05 https://www.businessinsider.jp/post-256170
(…)レポートは、米政権と米軍が「敵対的勢力」に対して採用する「行動パターン」の明快な説明にもなっている。
この行動パターンを、台湾情勢に当てはめてみると以下のような流れになる。
1.まずアメリカ側が挑発し、(中国に)競争するよう仕向ける
2.中国に軍事的、経済的に「過剰な対応」を引き出させる
3.国内外での中国の威信や影響力を喪失させる
2019年に始まったアメリカの対中挑発の例を挙げれば、
(a)金額、量ともに史上最大規模の武器売却を実施
(b)閣僚・高官をくり返し台湾に派遣
(c)軍用機を台湾領空に飛行させ台湾の空港に離発着
(d)米軍艦による台湾海峡の頻繁(ひんぱん)な航行
(e)米軍顧問団が台湾入りし台湾軍を訓練、などがある。
いずれも、誰が見ても意図的な挑発行動だ。(…)
♣エマニュエル・トッド氏「日本はウクライナ戦争から抜け出せ」2022.5.31 https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00122/052700132/ (1~4)
(…)「まず私の見方が、西洋側のメインストリーム(主流)と全く違うということはよく理解しています。(…)真の問題、世界の不安定性はロシアではなく米国に起因しているのです。米国は世界的な軍事大国で、中東などで戦争や紛争をする、あるいは維持し続けている存在なのです。ウクライナ軍も再組織化しました。そしておそらく同じようなことをアジアでも引き起こそうとすると私は見ています。台湾に対してウクライナのように振る舞うべきだと言い始めています。」(…)
「今のドイツは非常に迷っていて、間違えた道を歩み始めているようにも見受けられます。ただしドイツがいったん合理的な、現実的な観点に戻ってくれば、どうやって抜け出すか、その手段も見いだすだろうと思います。ドイツが決めたら、最終的には今、感情に突き動かされている欧州諸国もドイツに付いていくのではないかと。そこでドイツの首相が特に大きな政策を打ち出す必要もないと思います。ただ単に、『もうやめよう』とさえ言えば、米国中心のこの戦争のメカニズムが崩壊し、そこからは良い判断が次々となされるでしょう。ドイツは気がつくだけでいいのです。」(…)
♣ウクライナを売った男2022.03.12 マイク・ホィットニー
必読➡http://tmmethod.blog.fc2.com/blog-entry-841.html
2022年8月2日 セワヤキ