2016年8月15日
自民党による改憲が間近に迫りつつある2016年8月15日を貴方はどう過ごされたでしょうか。この改憲の主要な目的は、どう考えても、「自衛」ではなく「侵略」できる国に回帰させることにあります。今年は、そんな岐路に立つ重要な「終戦/敗戦 記念日」でした。
戦争に国民の気持ちを向けさせるための「装置・カラクリ」として、「靖国神社」が 明治以来 重要な役目を果たしてきました。その参拝者は増え続け、今年の8月15日には、なんと17万5千人という数字にまで達したようです。
戦死者の霊を慰めるための施設には、これとは別に、「千鳥ヶ淵戦没者墓苑(無名戦士の墓)」というものがあります。
この両施設のどちらを国民が選ぶかによって、「自衛」にとどまるか、それとも「侵略戦争」に舞い戻るのか、占えるような気がします。
2016年8月24日 セワヤキ www.sewayaki.de
◆8月15日の靖国神社参拝客はここ数年、15、6万人前後で推移している
今年の参拝者は17万5千人と、昨年よりも1万4千人も多かった。小泉時代に次ぐ勢いだ。http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20130816-00027308/
◆千鳥ヶ淵墓苑のパンフレット
「千鳥ヶ淵戦没者墓苑(無名戦士の墓)は、軍人軍属のみならず一般邦人をも含み、また既に遺骨の一部を遺族に渡された人々をも含む全戦没者の象徴的遺骨を奉安した、国立のお墓であります。わが国には明治以来靖国神社がありますが、終戦後、宗教法人となり、外国の元首や使節等が、これに詣でることがむずかしくなり、諸外国の無名戦士の墓に類するものを官民一体で建てることになり…」
◆戦後71年 靖国神社/千鳥ヶ淵戦没者墓苑に集った市民の思い http://iwj.co.jp/wj/open/archives/325706 (日刊IWJガイド2016.8.20 日号参考 )
「みんなで靖國神社に参拝する国会議員の会」記者会見(2分41秒)
靖国神社参拝者・千鳥ヶ淵墓苑献花者へのインタビュー(5分30秒)
靖国神社を参拝された方々の多くは、参拝の動機について、「ここに眠っている『英霊』の犠牲のうえに私たちは今、こうして生きている」と明かしました。残念ながら、この日に靖国神社でインタビューした限りでは、戦争によって亡くなった旧日本軍の兵士の多くが華々しい戦死ではなく、飢えや病いによって命を落としたことや、いかに国家によってその命を軽んじられたか、そういった「犠牲者」としての側面について言及する方は皆無でした。
千鳥ヶ淵戦没者墓苑には、「叔父(母の兄)が硫黄島で亡くなった」という男性がいました。男性の叔父さんの遺骨は見つからず、おそらく千鳥ヶ淵戦没者墓苑に眠っているだろう、ということで、毎年お参りにきているそうです。男性は、「祖母は、『国に騙された。硫黄島から帰ってきたのは、誰のものともわからない飯盒(はんごう)だけだった。靖国には絶対いかない。』と言っていた。」と振り返り、涙を浮かべました。
千鳥ヶ淵戦没者墓苑には、元レンジャー隊の井筒高雄さんの姿も。井筒さんは再び日本が戦争できる国家へと踏み出す、それも何の用意も議論もなく踏み出そうとしていることに強い危機感を抱いていました。
「イスラエルと無人飛行機の共同開発をするというが、市民かテロリストかわからない人達をそれで爆撃することになるが、それでいいのか。経済面を優先すれば死の商人となってしまうということを、参拝者にも考えてほしい。」
◆故郷(ふるさと)を離れて眠る兵士らよ英霊よりも野仏であれ (8月14日付 東京新聞 《東京歌壇》)
「私の母は、可愛い弟をニューギニアで亡くしました。…『あの子は靖国なんかにはいない。ニューギニアに詣でたい。…あの子は戦死じゃない。飢え死にしたんだ。餓死させられたんだ。』…」http://kazenokinomamaniki.at.webry.info/201608/article_2.html