日本の「食の安全保障」が危ない!――「種苗法改定」迫る!
◆新型コロナが問いかける安全保障 2020.4.2 https://www.chosyu-journal.jp/column/16365
(…)日本社会だけではない。もともと貧困層が医療にかかれないアメリカでの爆発的な感染拡大も、新自由主義政策の犯罪性を映し出している。医療改革と称して大なたをふるっていたイタリアでの医療崩壊もしかり。余力のなさからたちまちにして医療現場はパンクしてしまい、医師や看護師たちは悲痛ともいえる訴えを発信しているではないか。「今だけ、カネだけ、自分だけ」で目先の短期的利益ばかり追い求める市場原理が世界各国を犯し、長期的な視野で見たとき、社会全体にとって重大な損失を招いていることや、実は脆さと隣り合わせだったことを浮き彫りにした。(…)国民の命を守るために急がれる安全保障政策とは何か。
◆火事場泥棒のような国会運営 2020.4.16 必読➡https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/16512
新型コロナウイルス感染拡大により日本全体が対応に追われるさなかに、安倍政府は開会中の今国会で予定していた法改正案などをまともな審議も経ぬままに成立させようとしている。法案のなかには、日本の農業のあり方や食の安全を大きく変える種苗法改定、年金支給開始年齢を75歳まで引き上げる年金改革関連法案、検察官の定年を延長する内容を含んだ国家公務員法等の一部を改正する法律案などがあり、火事場泥棒のようなかたちで成立させようとしている。(…)
◆農業と食明け渡す種苗法改定案 どさくさに紛れて審議入りか 日本の種を守る会が反対声明 2020.4.14 https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/16486
◆食料輸出制限の動き 「食料不足招く」とFAO等が警告2020.4.7 https://www.chosyu-journal.jp/shakai/16421
(…)世界有数の小麦輸出国の一つであるカザフスタンは、小麦粉をはじめジャガイモやソバ、砂糖、ひまわり油などの輸出を禁止した。また、ロシアやウクライナが小麦輸出規制に動くことを予想して、小麦価格が急騰している。 ロシアは小麦の国内価格の上昇を防ぐためすでに備蓄の放出に踏み切り、3月20日から10日間、全種類の穀物輸出を一時制限する措置をとった。 世界3位のコメ輸出国ベトナムも、輸出の新規契約の一時停止措置を決めた。ベトナムのフック首相は3月28日、ベトナム商工省に対しコメの新規輸出を制限するよう命じた。世界的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、食料の供給が混乱すると予測し、社会の不安払しょくのために、国内の食料在庫を確保するためだ。
世界三大信用評価会社の一つであるフィッチは、労働集約的な農業が新型コロナによって大きな打撃を受ける可能性について言及した。パーム油や新鮮肉類を加工する場所では多くの人材が必要で、これにともなって感染の懸念が大きくなり、閉鎖など制限措置を受けることになると指摘した。 (…)マレーシアから供給される各種新鮮農産物のルートが止まることを懸念し、シンガポール国民が一時スーパーマーケットに押しかけ果物や野菜を集中的に購入する現象が起きた。 フィッチはまた、新型コロナの長期化で農産物のサプライチェーンが影響を受ければ、食料を多く輸入している中東各国や韓国、日本なども比較的深刻な打撃を受けるだろうと指摘している。(…)
◆種苗法改定案が今国会に上程!自家増殖(採種)一律禁止になり、違反すると10年以下の懲役1000万以下の罰金共謀罪の対象!? 日本の農業政策の未来にあるのは強欲アグリビジネスの支配体制! 2020.2.26 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/468513
2018年4月に国は種子法を廃止した。それによって、これまで都道府県が米・麦・大豆などの主要農産物の種子の開発・増殖に責任を持ってきた体制が終了し、代わって、三井化学や住友化学、日本モンサントなど、大企業による品種寡占のレールが敷かれたのである。
埼玉県議会に「種苗法の改定に関する意見書を国へ提出することを求める請願書」を提出した「子どもたちのために食の安全を考える会・埼玉」(代表・川村準氏)は、請願書の中で、農業競争力強化支援法、種子法廃止とあわせて、種苗法改定案の問題点を次のように指摘している。
「こうした政策は、公的機関による種子の保全、育成及び供給を困難にし、種子開発生産の民間企業支配と独占に道を開くことになりかねず、農家の経済的負担が増大することや、農家による種苗の自家採種・増殖の権利を奪う可能性もあり、育成者権者からの権利侵害を理由とした訴えなどを懸念して営農意欲をそがれ、後継者不足も重なって、伝統的な日本の農業のさらなる衰退をもたらす恐れがあります。ひいては、食料の安全保障、種の多様性、環境の保全、地域の存続、といった持続可能な経済社会の確立にとって大きなマイナス要因ともなりかねないことが危惧されます。」
◆【特集】種子法廃止で日本が「遺伝子組換え作物」の氾濫国へ!「食料主権」を売り渡す安倍政権の売国政策を検証!https://iwj.co.jp/wj/open/%E7%A8%AE%E5%AD%90%E6%B3%95
「日本の種子(たね)を守る会」の山田正彦・元農水大臣によると、現時点で37%しかない日本の食料自給率は、種子法廃止の影響で、14%程度にまで下がる可能性もある。自力で種から作物を育てられない国が、国民の生命を守りきれるだろうか。安倍政権はあれだけ「安全保障」を声高に叫びながら、生命を保障する「食料安全保障」を多国籍企業に売り渡してしまおうとしているのだ。これほどの「売国政策」があるだろうか。
◆「日本の食と農が危ない!わたしたちは未来を守れるのか!? 〜日米FTAがもたらすもの〜」鈴木宣弘氏(東京大学教授、農業経済学)の講演会 2019.10.6
必聴➡https://iwj.co.jp/wj/open/archives/458571
◆売り渡される食の安全 2019.11.05必読➡http://blog.livedoor.jp/ura_sta/archives/39005050.html
2020年4月30日 セワヤキ