猛威を振るうインド株B.1.617が日本にも! 2021.04.28
♣【日刊IWJ 2021.04.28】インドで猛威を奮っているインド株B.1.617はすでに、日本で21件(空港検疫20件、国内事例1件)確認されています。この国内事例の1件は東京で見つかっています。B.1.617はインド以外にも、2021年4月25日時点で19カ国からGISAIDに情報が登録されています。インドに次いでこの登録が多い国は、英国と米国。感染症専門医の忽那賢志氏によると、B.1.617には、スパイク蛋白のE484QとL452Rという2つの変異が主要な変異として存在するために、「二重変異株」と呼ばれているということです。この2つの変異は、実験室レベルでのエビデンスでは、中和抗体やモノクローナル抗体による中和活性の低下が報告されており、ワクチンの効果低下が懸念されています。査読前論文ですが、L452R変異は感染力を強化するという報告もあります。さらに、懸念されているのは、日本人の6割が持つ「HLA-A24」という白血球の持つ「細胞性免疫」(抗体による抗原排除の体液性免疫に対して免疫担当細胞自体が抗原を直接排除する機構)が、L452R変異によって、抗原を認識できなくなる可能性があることです。
※An emerging SARS-CoV-2 mutant evading cellular immunity and increasing viral infectivity(bioRxiv、2021.04.05)https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.04.02.438288v1
インドの二重変異株B.1.617のL452R変異は、抗体による体液性免疫からも、HLA-A24による細胞性免疫からも逃避し、しかも、感染力が強化されているという危険な変異株だということです。
※小池知事 東京でインド変異株1件を確認「どんなものか分からず怖い」(東京新聞、2021.04.26)https://www.tokyo-np.co.jp/article_photo/list?article_id=100630&pid=320939
ひとつだけ捕捉しておくならば、HLA(Human Leukocyte Antigen、ヒト白血球抗原)は、多くの抗原の組み合わせて構成されており、その組み合わせは数万通りと言われています。HLA-A24以外のHLAが、L452R変異を認識して排除できる可能性があることに希望が残っています。(以上、日刊IWJ 2021.04.28より)
※栃木で新しい変異株が出現! 栃木県のインターパーク倉持呼吸器内科の倉持仁医院長と国立遺伝学研究所の川上浩一教授の共同研究で英国株(B.1.1.7)、南アフリカ株(B.1.351)、ブラジル株(P.1)とは異なる新しい変異株を確認! この変異株にも免疫逃避能力が懸念される! 国立感染症研究所の発表した起源不明の新変異株394件と同じものか?(日刊IWJガイド、2021.03.13)https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48453#idx-6
♣「ワクチン進捗フォローアップ野党合同チーム」ヒアリングで、感染症専門家のエリック・フェイグルディン博士が、各ワクチンの性質、有効性など説明2021.04.22 https://www.youtube.com/watch?v=AbCvj8HHN1Y
「ジョンソン & ジョンソンのワクチンは一回接種のみで、摂取時には66%の有効性だが、時間が立つにつれ有効性が上がり、56日以降では90%~95%にまでになるので、重症化防止に大いに役立つ。南ア変異株については、南アでの重症化防止に81%の有効性があった。」
♣ロシア「スプートニクV」
※インドのコロナ新規感染が世界最多、軍や欧米諸国が緊急支援へ
https://news.yahoo.co.jp/articles/4f9040c5b4c7d9b086fa7c107ef1a73eb727651f
(…)ロシアの政府系ファンド、直接投資基金(RDIF)のキリル・ドミトリエフ総裁は26日、同国の新型コロナウイルスワクチン「スプートニクV」について、インドが初回出荷分を5月1日に受け取ると明らかにした。出荷量などには言及しなかった。 同総裁はロイターに対し、インドの危機脱却に寄与することに期待を示した。 スプートニクVの海外展開を管轄するRDIFは、インドの大手メーカー5社との間で年間8億5000万回分超のワクチンを生産する契約をすでに結んでいる。RDIFこれまでに、インドでのワクチン生産が今夏までに月5000万回分に達し、その後さらに拡大するとの見通しを示している。(…)
※韓国で委託生産、ロシア「スプートニクV」ワクチン予防効果92%https://news.yahoo.co.jp/articles/968a1b731ee76447d12f6f88e4ae07840c2ed292 2021.03.31
1回目接種後73.6%の予防効果を記録し、2回目接種後には予防効果が91.6%に達した。また、臨床試験の参加者の10.8%を占めた高齢層で、予防効果91.8%を記録し、全体の数値よりも高かった。 スプートニクVは、凍結乾燥形態で保管する場合、2〜8℃の保管が可能で、保管および輸送が容易であり、価格も20ドル(約2214円)水準と、手頃な価格の方だ。
※接種が2回ではなく1回で済む「スプートニク・ライト」を国外向けに開発 2021.01.12 開発に携わる政府系「ロシア直接投資基金」総裁は、現在開発中のワクチンに関し、1回の接種でも「最大85%の有効性」が見込めると主張https://www.yomiuri.co.jp/world/20210112-OYT1T50198/
※「二流扱い」されてきたロシア製ワクチン、高評価 2021.02.22 https://news.yahoo.co.jp/articles/818dd1e1b55632a8943879f15d7b433fb888b568
(…)2月2日に発売となった英科学誌「ランセット」によれば、スプートニクVの有効性は約92%とメッセンジャーRNAタイプと遜色のない有効性が確認されており、ブルームバーグは「スプートニクVは旧ソ連以来の最大の科学の結晶になった」と報じた。 スプートニクVの日本での使用は今のところ予定されていないが、1961年に旧ソ連からポリオワクチンを緊急輸入し、国内のポリオ患者数を激減させたという前例がある。ロシア製ワクチンの使用を中期的な課題として検討すべきではないだろうか。(…)
※ガルージン駐日ロシア大使×鳩山友紀夫 2021.04.05
https://www.youtube.com/watch?v=a5T5KOFLg7c (動画 ロシアのワクチン、日露関係などについて)
♣各県新感染者数https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/