スーパーシティ特区~コロナの影の悪だくみ
◆コロナ禍とともに監視社会化が進む! あの竹中平蔵氏も暗躍! 国民総監視を進める危険なスーパーシティ法案が参院委員会可決! 来週参議院本会議で可決成立へ!日刊IWJガイド2020.5.23 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/40351
◆スーパーシティ特区~コロナの影の悪だくみ!計画するのはアノ「加計特区」メンバー!2020.05.19 https://www.youtube.com/watch?v=WP0_ByU5iCI(動画44分26秒)
「スーパーシティ構想」は、すでに4月中旬に「国家戦略特区法の改正案」として6時間審議されただけで衆議院を通っている。参議院通過も迫っている。「国家戦略特区」は2014年から始まった安倍政権の成長戦略で、規制改革がうたい文句だが、実際は誰か関係のある者(オトモダチ)にうまみのある特権を与える結果になっただけで(例: 加計学園医学部)、経済的効果は皆無だった。停滞気味の「国家戦略特区」の目玉にするために出されたのが「スーパーシティ構想」。
問題点: 自治体が本来担うべき行政の事業を、特定の事業主催者が担うことになり、個人情報保護法にうたわれている人権・プライバシーが悪用される恐れがある。そもそも日本の個人情報保護法には弱点があるところ、チェックがさらに難しくなる。さらに、例えば、実験的な自動走行などで起きた事故に、誰が責任をとるのかという責任体制も不十分。その上、日本は現在先端技術面で遅れをとっており、事業主催者が外資企業になる可能性も大きい。先例としては、トロントのスマートシティーがあげられる。町中の監視カメラなどで情報が集められることに対し、「トロントはGoogleの実験用マウスではない」という市民の反発が起こり、ついに裁判沙汰になった。(コロナの影響もあり、Googleは撤退を発表したばかり)
スーパーシティ構想には2種類ある。誰もいない所に人工的に町をつくって住人を募集する「グリーンフィールド」と、すでに人々が暮らしている所につくる「ブラウンフィールド」(例: 東富士にある裾野市にトヨタが建設計画中)。
スーパーシティには特別な立法がある。自治体が条例で何でもできるので、竹中平蔵氏のいう「ミニ独立政府」のような怖いものになる可能性がある。すでに、「これまでのやり方ではだめだから憲法94条*を改正しよう」という橋下徹氏や高橋洋一氏の掛け声も出ている。(*地方公共団体は、その財産を管理し事務を処理し行政を執行する権能を有し法律の範囲内で条例を制定することができる)
「スーパーシティ構想」の専門家委員会のメンバーは座長の竹中氏をはじめ「国家戦略特区」を推進してきたメンバーとほぼ重なり、不信感を起こさせる。
今ある少子化問題などの国の根幹にかかわるような社会課題は「近未来技術」のようなもので根本的な解決ができるものではない。自治体はこれまで、国が出してきた計画にそって受身に政策を立てるやり方だったが、これからは自分たちの納得のいく町づくりには何をどうしたらいいのか、自治とは何かを自ら考えるべきだ。
◆【火事場ドロボー!一途にご恩返しの巻 スーパーシティ法案 前編】れいわ新選組 代表 山本太郎 必見➡https://www.youtube.com/watch?v=VPanApKefII(動画22分59秒)
大企業のための史上最大の規制緩和。権力者のための法改正。構想実現に向けた有識者懇談会の座長はアノ竹中平蔵氏。『スーパーシティ域内の運営は国・自治体・政府による「ミニ独立国家」のような主体が担う。 高度で革新的な近未来技術に関連する 過去に類例のない実証実験をおこなえるような 特区内での規制緩和をする。AIやビッグデーターを活用し、未来のAI暮らしを先行実現する「まるごと未来都市」。キャッシュレス化、行政手続きをワンスオンリー化、遠隔教育・医療、自動走行等、複数分野にわたる取り組みを同時に暮らしに取り入れる生活実装実験。それには複数の先端的サービス間でデーターを収集・整理し提供するデータ連携基盤が必要となるため、外国の先進事例をふまえ(トロントの例を太郎さんが詳しく説明)た上で、その実現に必要となる規制改革を「同時・一括・迅速」に進める仕組みを整備する。』
要するに、住民合意さえあれば日本の自治体を選んで、そこを近未来都市の実験場にできるという内容。内閣府によれば、『住民合意のとり方は「区域会議」が適当と認める方法によって決めればよい。都市計画の決定の際はその内容を2週間掲示板で公開する』。区域会議とは、「ミニ独立政府」のようなもの。加計学園問題で明らかになったように、区域会議では、事業者と受益関係にある人が意思決定に関与したり、議事録が恣意的に修正・破棄され、意思決定プロセスが隠蔽されたりしてきた。区域会議とは受益者の集まりである。「ミニ独立政府」ではなく「ミニ独裁政府」であり、 強い首長、技術を実装できる企業がその中身。
◆【漏れてます? あなたの個人情報 スーパーシティ法案 後編】れいわ新選組 代表 山本太郎 必見➡https://www.youtube.com/watch?v=qJe_OsBiTz4(動画42分58秒)
個人情報は漏洩するものだという前提で厳しい保護法が不可欠である。なぜなら、個人情報自体が「金のなる木」だから。「世界で最も価値のある資源、それはもはや石油ではなく、データーである」という社説がイギリスの週刊誌エコノミストに掲載された。安倍総理は2013年の施政方針演説で「世界で一番企業が活躍しやすい国を目差します。」と強調。2019年のダボス会議でも「医療や産業など有益な匿名のデーターは、国境をまたいで自由に行き来させねばならない。」と強調。同年6月には「情報銀行」ビジネスが本格化し、業界団体によって2社が選ばれた。ビッグデータは金になる。あなたの行動がビッグデータに繋がっていく。ネット企業が、幅広い消費活動から、利用者の信用度合いを採点し、格付けする「スコアリングサービス」(セワヤキ: 共産党独裁の中国の制度に極似?!)が増加している。どれだけ信用できる人物か測って社内外で共有するシステムだ。
AIのゆがめられた判断によって社会から阻害される「バーチャル・スラム」が出現しかねない。差別や人権侵害も発生するだろう。各種情報を組み合わせれば、たとえ匿名加工された情報であっても個人特定が可能という研究が発表された。そして、特別な理由(公益)がある場合、行政機関の長は、スーパーシティに係わる「データ連携事業者」に、行政の保有する個人情報を、本人への通知や同意がなくても提供することができる。欧州の世界一厳しい新ルールGDPRでは「個人はデータ主体」、即ち「データの本来の持ち主」と位置づけている。企業は個人の同意なくデータを集めることはできないし、個人がデータを返して欲しいと言えば返すべきだという考え方が根底にある。遅れた日本の個人情報保護法と違って、無記名の個人履歴データも個人情報に該当するとしている。また、個人にとって重大な決定をAIにさせることを禁じている。
《本の紹介》「スローシティ」世界の均質化と闘うイタリアの小さな町~町は歩いて楽しめてなんぼである 島村菜津著2013.3.15 (光文社新書)https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334037369
日本旅行、するなら「スーパーシティ」ではなく「スローシティ」を体験したい!・・・2020年5月23日 セワヤキ