仮想敵国より怖いCV22オスプレイの横田配備
しんぶん赤旗2015年11月21日(土) 参考
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-11-21/2015112101_05_1.html
日米両政府が、米空軍横田基地(東京都福生(ふっさ)市など)に特殊作戦用の垂直離着陸機CV22オスプレイを配備しようとしている。
米海兵隊所属のMV22オスプレイはすでに沖縄県の普天間基地(宜野湾市)に配備されていますが、米空軍所属のCV22配備は日本初です。MV22より事故率が高いCV22を、人口が密集する首都東京に配備することは極めて危険です。
米国防総省は2015年5月、横田基地にCV22オスプレイ10機を2017年から順次配備すると発表し、安倍晋三政権も受け入れました。世界各地で事故を繰り返すオスプレイは「欠陥機」といわれ、なかでもCV22の事故率は、普天間基地に配備されているMV22の3倍にものぼっています。
横田基地は普天間基地と同じように住宅密集地にあり、周辺には学校や保育園、病院、住宅などがひしめいています。周辺住民は現在でも爆音被害と相次ぐ部品の落下や墜落など事故の危険にさらされています。そのうえCV22が配備されれば、住民・都民の安全はいっそう脅かされます。福生市長をはじめ周辺自治体の首長も強い懸念を示しています。
CV22とともに同機を運用する米軍特殊部隊が配備されることも重大です。
特殊部隊の任務は、真っ先に敵地に乗り込み、要人の暗殺や拉致、対テロ作戦などです。米軍は最近もイラクに特殊部隊を派遣しています。今年8月、沖縄本島沖でおきた米軍ヘリ墜落事故を契機に、米軍特殊部隊と陸上自衛隊特殊作戦群(千葉県・習志野基地)との共同訓練が秘密裏に行われていたことが明らかになりました。横田基地への米軍特殊部隊の配備は、戦争法の具体化と結び付き、自衛隊と米軍との共同作戦の強化の動きと一体のものとして、見過ごすことはできません。
横田基地では今月、400人規模のパラシュート降下訓練が強行されるなど米海兵隊・陸・空軍特殊部隊の訓練、基地強化の動きが、ここ数年顕著です。CV22の新たな配備は基地の増強にいっそう拍車をかけることは明らかです。(セワヤキ注: 横田基地に配備されるCV22オスプレイは、特殊作戦に使用されるもので、レーダー監視をくぐり抜けるため地をはうように高度数十メートルの低空飛行で敵地に潜入し、兵員をロープ伝いに降下・回収する――軍事ジャーナリスト前田哲男氏)
CV22の横田配備の深刻な影響は首都圏にとどまりません。最近発表された米空軍の「環境レビュー」には、CV22が沖縄県内の米軍射爆場、陸自東富士演習場(静岡県)、米空軍三沢対地射爆場(青森県)などで実弾射撃訓練を行うことが明記されています。群馬県や新潟県の上空でも訓練を実施することが記されています。全国各地に危険を拡大するオスプレイの配備撤回・中止の声を日本中に広げることが求められます。(以上「しんぶん赤旗」2015年11月21日より)
日本人の考えている仮想敵国は中国なのでしょうが、米国は日本と一緒に戦うとは全く言っていません。以下➡参照してください。
➡「米国は日本を守らない!」 日米新ガイドラインに施された翻訳上の仕掛けとは「仮面の日米同盟・米外交機密文書が明かす真実」著者・春名幹男氏http://iwj.co.jp/wj/open/archives/284665 2016/01/28
➡「中国のミサイル1400発で日本は一度壊滅させられ、中国に花を持たせて戦争を集結させる。それが米国の戦略!」伊波洋一・元沖縄県宜野湾市長http://iwj.co.jp/wj/open/archives/279853 2015/12/21
➡「日中間の摩擦は外交で解決すべし!」東シナ海ガス田開発と南沙諸島埋め立て問題、「中国脅威論」を煽り安保法制を進める安倍政権の狙いとは? 横浜私立大学名誉教授 矢吹晋氏http://iwj.co.jp/wj/open/archives/255325 2015/05/01
怖い国とは仲良くするのが一番です。また、そのほうがオスプレイを買ったりするより、ずっと安くつきます。原発を抱えての戦争や紛争は自殺行為だということを考えたら、そもそも日本はとっくに「戦えない国」になってしまっているのです。そのことに、そろそろ気づいてもいいのではないでしょうか。
「中国は怖い!」と言う代わりに、「他国からの武力攻撃を受けない限り、日本は、こちらから他国を武力攻撃することは一切ない!」と断固として主張して回るだけでいいのです。
私の実家は陸自東富士演習場の近くにあります。有線放送で毎日のように「朝7時から夜10時まで演習場は立ち入り禁止・・・」というアナウンスがあります。そして、一日中大砲の音が聞こえます。そのたびに、「一体全体、誰を殺す練習をしているんだろう?」「一発ドーンとやるごとにいくら税金を使ってるんだろう?」という問いに苛まれます。世界遺産に指定された日本人の誇りであるあの霊峰富士の、その麓で、こういう危険な税金の無駄使いが毎日のようになされているのです。
日本の軍備も米軍基地も10年計画でも立てて、徐々に減らしていく方向に向かうべきです。その分を、学校教育、老人介護など社会福祉にまわして、国民の側に取り戻すべし! 不景気が20年以上続いている今の日本で、軍事費を増やすような税金の無駄遣いをする経済的余裕はありません。必要最低限の軍備で十分。なにしろわが国は、原発のおかげで「戦争できない国」になってしまっているのですから。
「中国の脅威」を感じている市民に聞いてみたい質問:
◆「中国が攻撃してくるかもしれない危険」と、「オスプレイが原発にまちがって落ちるかもしれない危険」が二者択一のとき、どちらを選択しますか?
◆「中国の攻撃に備えるためなら、頭上を軍用機がひっきりなしに飛び交うのに耐える覚悟がある」と確信を持って言えますか?
以下➡を参照してから上の質問について考えてみてください。
➡「あのオスプレイが、どうして日本の空を飛ぶの?」 基地問題の精鋭、沖縄タイムス元論説委員・屋良朝博氏が日本人の「主権意識」を問う──「普天間第二小学校では、敷地をかすめて軍用機がひっきりなしに離着陸を繰り返している。世界一危険な小学校で、子どもたちは校庭で遊んでいる最中に爆音で耳をふさがねばならない。事故も緊急着陸も頻発している」「嘉手納では1日200回、年間7万回にもおよぶ離着陸が行われている。嘉手納は町の約8割が基地の敷地に取られている」http://iwj.co.jp/wj/open/archives/211621 2014/12/06
➡「安倍総理の 『国家催眠 』に引っかかるな!」沖縄国際大学大学院教授・前泊博盛氏が日米同盟の現実を解説──「オスプレイが首相官邸に落ちたら、米軍が官邸を封鎖するだろう。日本は主権国家ではなく属国だから」──前泊氏は、アメリカが戦時中の日本を「国家催眠」と評したことに触れて、安倍政権もまた、国家催眠をうまく使って二者択一に国民を追い込む、と警鐘を鳴らした。2015/12/19 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/279652
「普天間」か「辺野古」かの二者択一ではなく「外国軍基地は順次返還」していただくのが普通の国のあるべき姿だと考えるべきではないでしょうか。無条件降伏して受け入れた(*)ポツダム宣言を「つまびらかに」読むと、連合国占領軍代表である米軍が未だに撤退していない理由は、日本政府が「平和的傾向を帯びていない」し、「責任問題も誤魔化してしまう」からだとも勘ぐれないことはないです。
(*)(12)連合国占領軍は、その目的達成後そして日本人民の自由なる意志に従って、平和的傾向を帯びかつ責任ある政府が樹立されるに置いては、直ちに日本より撤退するものとする。(全訳☞ http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/potsudam.htm)
2016年 2月 1日 セワヤキ www.sewayaki.de