「官邸参戦?静岡に異変」
IWJ【特別寄稿】スクープ!
◆参院選「静岡選挙区」に関する報道をめぐって、『報ステ』から消えた『6分』のVTR!官邸は国民民主候補への支援と引き換えに改憲賛成を要求か!? 官邸への忖度か!? 2019.7.20 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/453673
用意されていたVTRの概要∶
「„大物が続々応援“ 激しい駆け引き…静岡選挙区」と17日の新聞のテレビ欄で報道の予告がされていた。
報道されるはずであった映像内容∶
「激しい駆け引き…静岡選挙区」。菅義偉官房長官が静岡選挙区で立候補している国民民主党の榛葉賀津也候補を支援するよう地元有力者に要請している――。
17日夜、用意していた約6分の枠がすっ飛んだ!
その日の放送開始まで1時間となった午後9時、テレビ朝日系列の「報道ステーション」で異例の事態が起きていた。「用意していた約6分の枠がすっ飛んだんです」当時の状況を知る報ステ関係者は明かす。自民党幹部にして官邸のトップが、野党である国民民主党の候補の支援を呼びかけているという驚きの事実を報じる内容だったが、これが丸ごと削られた。
ここに至るまでには曲折があった。元々この「官邸が静岡選挙区に介入か」というネタは、地元の静岡新聞が13日朝刊一面トップで報じた。
13日、静岡新聞が朝刊一面トップで報道
※参院選静岡選挙区 野党激突に「不思議」な動き、官邸介入か(2019/7/13)・・・複数の関係者によると、スズキ以外にも県内の大手企業や団体の一部が榛葉氏の支援に回った。脱原発を主張する徳川氏の当選を阻止したい思惑も透けるが、ある自民関係者は「首相官邸からの依頼だ。(参院選後の)改憲を意識しているのだろう」と話す。榛葉氏に恩を売って改憲へ協力を得る狙いとの分析だ。背景に静岡選挙区で自民が2人目の公認候補擁立を見送り、牧野氏が他候補に先行する選挙情勢もある。https://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/656977.html
15日、静岡朝日放送(SATV)が、約9分枠で報道
「官邸参戦?静岡に異変」とタイトルを打ち、報じた。
この背景には、静岡選挙区の情勢が深く関わっている。
定数2の静岡選挙区には、自民党・牧野京夫氏、国民民主党・榛葉賀津也氏、立憲民主党・徳川家広氏、共産党・鈴木千佳氏、諸派・畑山浩一氏の5人が立候補している。 報道各社の情勢調査では、牧野氏が抜け出し、榛葉氏が優勢、徳川氏が追い上げていると報じられている。
このため、榛葉氏を引き上げれば、自動的に立憲民主の徳川氏が落選する構図となっている。
そうした構図を見越してか6月、東京都内のホテルで安倍晋三首相が自民静岡県連関係者に向けてこう問いかけた、「立憲民主が当選したら困るよね」
※立憲が国民に「刺客」=官邸参戦で対立激化-静岡
・・・国民参院幹事長の榛葉賀津也に対して立憲が「刺客」を放った背景には、国会対応での路線対立がある。榛葉は自民参院幹部とゴルフや酒席を共にして親交を深め、重要法案の審議日程や委員会人事を「あうんの呼吸」(自民関係者)で決めてきたとされる・・・https://www.jiji.com/jc/article?k=2019071100713&g=pol (時事通信2019.7.11 )
「改憲勢力3分の2」を維持できるかどうか微妙な情勢にある自民党にとって、選挙後に協力関係が築ける可能性のある国民民主党と関係を深めておきたい――。そうした思惑が透けて見えるというわけだ。
(日刊IWJガイド、2019.7.19 参考)