日本のメディアはもちろんドイツのメディアも伝えないウクライナ情勢
♣米国大統領選挙の民主党候補の一人であるロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が自らのポッドキャストで、保守派の論客・米陸軍の退役軍人であるダグラス・アボット・マクレガー元大佐とのウクライナ紛争に関する議論を公開!(その1)2023.5.15 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52279#idx-5
♣同上(その2)マクレガー氏「今やキエフには、米国を、できれば味方として戦争に引きずり込もうとし、そのためなら何でもするという、非常に絶望的な政権がある」2023.6.2 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52349#idx-5(IWJによる仮訳)
ケネディ氏「その時点でロシアは(ミンスク合意という)解決を歓迎していました。30万人のウクライナ人が犠牲になった、現在行われている軍事演習をみれば、それはそうあるべきでした。この軍事演習が終わりさえすれば、ウクライナ人が戻ってくるというのは、ほとんど想像もつかないことです。 私の理解では、(ミンスク合意とは)NATOはウクライナに進駐せず、米国が設置したウクライナにあるミサイル発射台を撤去し、ウクライナ東部のロシア系民族をウクライナ内の自治区とする、というものでしたね。つまり、ウクライナの一部でありつつ、(ロシア系民族の人々)が何らかの権利を持つようにするものでした」
マクレガー氏「つまり、ロシア人が喜んで受け入れたのは、事実上、多民族国家だということですね。 それはヨーロッパでは特に新しい展開ではありません。ヨーロッパでは、何世紀にもわたって、このような多民族国家が存在してきました。オーストリア、ハンガリー、ユーゴスラビア、チェコスロバキア、帝政ロシアはすべて多民族国家でした。 だから、ロシア側にはウクライナを解体することに興味はなかったのです。まったく違いました。それどころか、ウクライナをそのままにしておくことに満足していた。ウクライナが無傷のままの形で存在することに、満足していたのです。
しかし、これはもちろんクリミアについてはあてはまりません。 当時、彼ら(ロシア側)はクリミアにあてはめるのを嫌がりました。彼らの立場からすると、かなりの正当性をもって、クリミアの人々の大多数はロシア人であり、ロシアの一部であることを望んでいたからです。 しかしより重要なのは、1776年以来ロシアの一部であり、クリミアの扱いを変え、ウクライナの陣営に入れたのは、我々の友人であるフルシチョフと酔った勢いで作った歴史の事故でした。
結論はこうです。西側諸国、ワシントン、ロンドン、パリ、ベルリンでは、ロシアに有利になるようなことは一切変えようとせず、ウクライナで計画していたことも変えようとはしませんでした。
そして、2021年12月と22年1月になると、ウクライナ東部(を攻撃するべくNATOによって:セワヤキ注)育て上げられた軍事力が、実際に、非常に手ごわく、よく訓練され、よく装備されていて、率直に言って、この2つの自治州を攻撃する態勢にあることが、ロシアにとって非常に明白になりました。(ウクライナ軍・西側諸国の)最終的な、目標はクリミアの奪還でした。つまり、ロシア側からすれば、これ(2022年のウクライナ侵攻)は、戦争の勃発を防ぐための先制攻撃だったのです。
ロシアがウクライナに侵攻したのは、ロシアがソビエト帝国を拡大・再建しようとする証拠だ、と言う人々に対して、我々はあることを心に留めておくべきです。ロシアが侵攻したとき、彼らは驚くほど小さな軍隊で侵攻しました。テキサス州ほどもあるウクライナに、ロシア軍は9万人の戦闘部隊で攻め込んでいったのです。
もちろん、ウクライナ側はすでに戦う準備が整っていたため、激しい抵抗をしました。 しかし、最も重要なのは、モスクワは、これが始まれば、西側諸国が本気になり、最終的に取り決めを交渉する意志があると考えていたように見えることです。そして、プーチン氏とクレムリンの政府が、(西側諸国の)誰も話をしたがらない、和平交渉はない、ということを理解するのに数カ月を要しました。
(2022年)4月のことを思い出してください、ボリス・ジョンソン首相はキエフに飛び、ゼレンスキーに実質的にこのように言いました。『ロシア側と交渉するな。必要なものは何でも提供する。我々は、あなたたちが勝つまで支える』と。
もちろん、3月にはバイデン大統領も同じようなことを言っていました。要するに、彼ら(英米)は、なんらかの妥協、特にウクライナを中立にするような妥協につながるような動きを止めようとしました。 もちろん、中立は常に非常に魅力的です。オーストリアは1955年に中立国になりました。(中略)
今や、我々(米国及びNATO)は、何ものも中立ではあり得ない、すべてはNATOに属さなければならない、私たちの条件に従って行われなければならないと主張しています。これはロシアには受け入れがたい主張です。そこでロシアは、戦争に突入した以上、防衛に乗り出し、軍備を増強して、自分たちの条件でこの戦争を終わらせる準備をしなければならないと考えたのです。
昨年の9月下旬から10月にかけて、我々が見てきたことの本質はそういうものでした。ロシアは防御に徹し、ウクライナ側はそれに対して数え切れないほどの反撃を仕掛けてきました。そして、それが結局、ウクライナにとって大惨事となったのです。あなたがご指摘の通り、30万人以上の死者を出しています。これに対してロシア軍は、主要メディアが言うのとは違って、おそらく3万人が死亡し、さらに4、5万人が負傷したと思われます。
しかし、ウクライナ人の負傷者とロシア人の負傷者の差は、非常に大きい。ロシアは迅速に人を避難させ、負傷者のほとんどが任務に復帰するのに対し、ウクライナ人の負傷者は、必要な医療措置がほとんど間に合わず、通常任務に復帰することはありません。ですから、損失は取り返しがつきません。
そして今やキエフには、米国を、できれば味方として戦争に引きずり込もうとし、そのためなら何でもするという、非常に絶望的な政権があるのです。
モスクワに対する馬鹿げたドローン攻撃は、誰かが『ウクライナ人はまだ生きている』と言うことを期待しているのです。現実には、ウクライナ人は、間違いなく窮地に立たされているのですが。
そして、(ウクライナの)地面が乾けば、何十万ものロシア軍が防御陣地から出てきて攻撃してくることを彼らは知っている。そして、それはおそらく5月末か6月上旬に起こるでしょう」<(その3)に続く>
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