クリミア橋爆破 英国情報機関の極秘計画が存在!
♣【日刊IWJ 2022.10.13より】クリミア橋(ケルチ海峡大橋)爆破のコンセプトは4月の段階で英国情報部が立案していた! 他方、ロシア連邦保安庁がテロ首謀者を発表! ロシア軍が大橋を破壊したという、ウクライナ政府の偽情報のみをたれ流してきた機能不全の日本のマスコミは、訂正を出さないのか!?
(…)まず、8日の段階で、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領の顧問、ミハイロ・ポドリャク氏が、次のようにツイートして、爆破したのがウクライナ軍であることを早々に匂わせています。それと同時に、これが徹底した反撃の「はじまり」であることを宣言しています。
「クリミア、橋、始まり。違法なものはすべて破壊し、盗まれたものはすべてウクライナに返還し、ロシアに占領されたものはすべて追放しなければならない」
続いて10日付『ニューヨーク・タイムズ』が、2人のウクライナ高官が、匿名を条件に、この攻撃の背後にウクライナ情報機関が存在したと語ったと伝えています。
「ウクライナは公式に責任を認めなかったが、ウクライナの高官2人が『ニューヨーク・タイムズ』に、この攻撃の背後にはウクライナの情報機関がいたと語った。そして、ロシアのウラジーミル・V・プーチン大統領は、躊躇なくウクライナに矛先を向けた。(中略) (橋のダメージの程度や、交通の再開のスケジュールなどは明らかではないが)それでも、ウクライナ軍高官は、ウクライナ政府による攻撃に関する議論の禁止を理由に匿名で、今回の攻撃の成功について『素晴らしい』と評価した。 『この作戦は、最も重要で神聖な目標の安全を保証するロシアのシステムでさえ失敗を示した』と同高官は述べた。『橋は泥棒と盗んだ財産をつなぐ人工的な臍の緒である。不自然なもの、違法に入手したものはすべて破壊されなければならないし、破壊されるだろう』」
ミハイロ・ポドリャク氏の8日のツイートおよび10日付『ニューヨーク・タイムズ』に語った2人のウクライナ軍高官の証言から、クリミア橋を爆破したのはウクライナ情報機関であることは、この時点でほぼ確実であると考えられます。その証左に、これらの発言や証言の訂正や反論などは、ウクライナ政府から出されていません。
大橋の破壊に先行して、クリミア内部で8月中に起きていた一連の爆破事件も、当初、ウクライナ政府は関与を否定していましたが、約1ヶ月後、関与を認めています。テロ攻撃の是認、攻撃の責任をロシア側になすりつけるなどの情報操作を、ウクライナ政府と軍は、公然と繰り返しています。
他方、ロシア連邦保安庁は、クリミア大橋爆破のテロ首謀者を発表しました。
12日付『スプートニク』によると、ロシア連邦保安庁は、クリミア橋で発生したテロの首謀者は、ウクライナ国防省情報総局、同総局のキリル・ブダノフ局長、職員、エージェントだと発表しました。 ロシア連邦保安庁の発表は、10日付『ニューヨーク・タイムズ』でウクライナ軍高官が語った、ウクライナの情報機関が橋を爆破したという証言と一致します。
12日付スプートニクは、次のように詳細を伝えています。
「爆発物は建築用ポリフィルムを巻いてカモフラージュされ、ウクライナ南部オデッサからブルガリア、グルジア、アルメニアを経由して運ばれたという。 ロシア連邦保安庁によると、テロの準備行為に共同で参加した12人が特定され、ロシア人5人、ウクライナ人とアルメニア人3人の計8人が拘束された」
さらに、決定的なのは、10日付『グレイゾーン』の記事です。この『グレイゾーン』の記事内で、キット・クラーレンバーグ記者が、クリミアのケルチ橋を爆破するという英国情報機関の極秘計画が存在したことを、内部文書と電子メールから明らかにしています。 スキャンダラスなことに、この大橋の破壊は、ウクライナ単独ではなく、英国軍が計画し、ウクライナにやらせた、というわけです。英国は実質、対ロシア戦に参戦しているも同然です。英米NATOは、ウクライナの同盟国ではなく、参戦もしていないという嘘を、いつまで唱え続けるのでしょうか。
クラーレンバーグ記者は、この極秘計画の成り立ちについて、次のように報告しています。以下、『グレイゾーン』の当該記事の仮訳です。
「『ザ・グレイゾーン』は、特別に訓練されたウクライナ人兵士の関与により、クリミアのケルチ橋を爆破するという精巧な計画を練り上げた2022年4月の英国情報機関の上級士官向けプレゼンテーション資料を入手した。 この計画が流布されてから約半年後、ケルチ橋は10月8日の自爆テロで攻撃され、ウクライナの情報機関SBUが監督していたことが明らかになった」
「キエフの『海上襲撃作戦』を『大胆に』支援する詳細な提案は、英国陸軍の上級情報員でベテランNATO高位顧問のクリス・ドネリーの要請で作成された。その計画の核心は、『ケルチ海峡大橋の破壊』であった」
「この作戦を企図した文書や通信は、匿名の情報源から『ザ・グレイゾーン』に提供された。 ケルチ橋のトラック爆撃は、その中に描かれていた計画とは作戦上異なるものであった。しかし、このような攻撃計画に対する英国の明白な関心は、ウクライナの『代理戦争』にNATO諸国が深く関与していることをはっきりと示している。 今年4月、ロンドンが、キエフとモスクワの和平交渉を妨害したと報じられたほぼ同時期に、英国の軍事情報機関の工作員は、1日に何千人もの民間人が渡るロシアの主要な橋を破壊するための青写真を描いていたのだ。
ロードマップを作成したのは、英国軍の退役軍人ヒュー・ウォードだ。黒海でウクライナが『ロシアの海軍力に脅威を与える』ための戦略がいくつも示されている。最大の目的は、キエフを封鎖するロシアの能力を『低下』させ、モスクワの『戦闘能力』を『侵食』し、『ケルチ橋経由の海上および陸上での補給を拒否する』ことによってクリミアのロシアの陸上および海上部隊を孤立させることだとされている。 ウォードは電子メールでドネリーに『この文書を守ってください』と頼んだが、その理由は容易に理解できる。これらの様々な計画の中で、『ケルチ橋襲撃CONOPS(作戦の概念)』だけが、ウォード報告書末尾の専用付属文書であり、その重要性が強調されたのだ。 その内容は、重大な戦争犯罪を構成しかねない行為の直接的かつ詳細な擁護にほかならない。重要なのは、主要な旅客ブリッジを破壊する方法について、民間人の犠牲を避けるという言及がないことである。 図とともに3ページに渡って、著者は『任務』の条件を綴っている。『大胆な方法でケルチ橋を無力化し、クリミアへの道路と鉄道のアクセスとアゾフ海への海上アクセスを混乱させる』のである」(…)