欧米マスメディアが見せない世界 Ⅱ マハティール首相
♣「小国が強国の言いなりになり、世界が大きく道を失った」「テロとの戦いは、根本原因を取り除くまで終わらない。」マハティール首相
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/433825 2018.10.12
90代で選挙に勝ち抜いて史上最高齢で一国の首相となり、注目を集めたマレーシアのマハティール首相。2018年5月に消費税廃止の公約を掲げて下院選に勝利すると6月1日から廃止し、8月に来日した際には「日本には模範とすべき平和憲法がある。マレーシアでも同様の憲法を作りたい」と語っている。
マハティール首相は2018.09.28に15年ぶりに国連総会で演説を行った。前回首相であった2003年に国連総会で演説している。2003年の演説で大国が世界をコントロールする状況を批判していたマハティール氏は、世界が15年前よりもはるかに悪くなっていると語った。
「IWJによるマハティール首相の国連演説の全文仮訳」より抜粋
「『テロリスト』と戦うために、あらゆるセキュリティ手段、あらゆる道具とあらゆる設備が、備えられました。ビッグブラザーが監視(*)しているのです。それでもテロ行為は止みません。 マレーシアは独立を目指して無法者やテロリストと戦い、これを撃退しました。我々は軍隊を用いました。しかし、同時に、そしてより重要なことは、こうした人々の心をつかむキャンペーンを展開したことです。」
(*)https://www.youtube.com/watch?v=wG2u0Yo_m3I
(*)https://www.youtube.com/watch?v=my9ESHFNDRk
「現在のテロとの戦争は、根本的な原因を特定して取り除き、テロリストの心をつかむまで終わらないでしょう。テロの根本原因とは何か? 1948年パレスチナの土地が収奪されてイスラエル国家が樹立されました。パレスチナ人たちは虐殺され強制的に土地を追われました。家も土地も収奪されたのです。初めパレスチナ人たちは、カタパルト(投石機)や石で戦っていました。パレスチナ人たちは実弾で撃たれたり拘束されたりしました。何千人も投獄されました。パレスチナ人たちは希望を砕かれ通常戦争を戦えなくなったために、怒りに燃えて我々がテロと呼ぶ手段に打って出たのでした。」
「人々を恐怖に陥れる行動はすべてテロなのだと認めることが重要です。罪のない人々に怪我を負わせたり殺害したりする爆弾を投下したり、ロケットを打ち込んだりする国家も人々を恐怖に陥れています。(イスラエル国家を名指して批判)
マレーシアはテロを憎みます。我々はこれと戦います。しかし、テロと戦う唯一の方法はその原因を除去することだと考えています。パレスチナ人たちを帰還させ、その土地を取り戻してあげましょう。そこにパレスチナの国家を打ち建てましょう。そこに公正と法秩序を実現しましょう。パレスチナ人と戦ってもテロを止めることにはならないし、パレスチナ人にテロ攻撃をしても無駄でしょう。」
「我々の考え方に問題があるのです。我々の価値体系に問題があるのです。一人を殺せばそれは殺人で、百万人を殺せば英雄になるのです。我々は、まだ国家間の対立は戦争で解決できると信じ込んでいるのです。我々は今や複数の都市を丸ごと破壊できる核兵器を持っています。しかし、今や我々は、核を使用した国家にさえ、核爆発から放出される放射能の影響は及ぶことを知っています。核戦争が起きれば世界は破滅するでしょう。」
「戦争は武器メーカーや武器貿易商に莫大な利益を生みます。軍事ビジネスは、今や世界最大のビジネスになっています。破廉恥にも、彼らは自ら原因を作った死や破壊から収益を得ているのです。現在の武器コストは数百万ドルに上っています。戦闘機は1億ドル近くもするのです。しかも、維持費だけで数千万ドルもかかります。しかし、貧しい国は購入する余裕もないのに、買うように説得されるのです。隣国や敵国はもう持っているぞと言われます。戦闘機を持つのは命令なのです。国民が飢え、あらゆる種類の剥奪を受けているときに、予算の大きな部分が武器購入費に充てられるのです。」
「貿易に関しては、国家はもはや独立ではありません。自由貿易は、小国が自国の弱小産業を保護するということを意味しません。小国は関税障壁を撤廃し、豊かで強い国家の生産物による侵略に身を晒さなければならなのです。」
「たしかに、グローバリゼーションはいくつかの恩恵をもたらしましたが、それは小国の独立を脅かすことが明らかになってきました。我々が話したり動き回ったりすれば、それは必ず記録され、しばしば、我々に不利な形で使用されます。すべての人に関するデータが収集され、強国と強国の企業がそれを取引しています。」
「マレーシアは国連の貧国撲滅にむけた努力、我々の惑星を守る努力、そして誰もが平和と繁栄を享受できるための努力を称賛します。国連がなければ世界は破滅的になるでしょう。これは認めなくてはなりません。我々は国連を必要としています。我々は十分な資金で国連を維持してゆかなければなりません。経済的な問題で国連を危機に追い込むことがあってはなりません。」
♣2007.02.05 マハティール前首相: 「ブッシュとブレアは戦犯」必読⇨ https://www.afpbb.com/articles/-/2177682
マレーシアのマハティール前首相は前週、イラク、レバノン、パレスチナ自治区での虐待の犠牲者たちの申し立てに特化した、非公式な戦争犯罪裁判所の創設計画を公表した。現在、戦争犯罪や人道に対する罪を犯した個人を裁いているオランダ、ハーグ(Hague)の国際刑事裁判所(ICC)の審理は偏っているとして、自ら新裁判所を提案した。「その裁判所でブレア首相が有罪を宣告されたとしても、われわれは彼を絞首刑にはしない。しかし、彼は今後常に、戦犯や子ども殺し、嘘つきといったラベルを背負っていくべきなのだ」
※国際会議「戦争の犯罪をあばき、戦争を犯罪とする」(マハティール氏の基調演説要点掲載)必読⇨ http://www.antiatom.org/test/2007/03/post.html 2007.03.19)
※日本での試み:「加計学園情報公開訴訟 仮想証人尋問 前川喜平氏」オンライン中継2020.11.24 https://www.youtube.com/watch?v=kitogkpFzaE