米国の軍事オプションを前提とした気運が広がりつつある…
➡日本が米国本土の「盾」になる日が近づいている?!https://iwj.co.jp/wj/member/archives/407625#memberB 2017.12.14
フリージャーナリストの横田一氏から最新寄稿が(IWJに)届いた。
国会周辺で取材を続ける横田氏は中谷元・元防衛相への直撃取材から得たコメントや、野党第一党の枝野幸男立憲民主党代表の発言、韓国の文在寅大統領と安倍総理の対比などから現状を分析し、「すでに永田町や霞が関では、米国の軍事オプションを前提とした気運が広がりつつある」と警鐘を鳴らす。米国本土の「盾」となった日本が、再び焦土と化す事態が絵空事ではないと指摘する横田氏の特別寄稿を以下、掲載する。
横田氏の特別寄稿
(…)小池氏の絶賛する世界的軍事アドバイザーのエドワード・ルトワック氏(米戦略国際問題研究所=CSIS・上級顧問)は、米国の軍産複合体の代理人のような「北朝鮮先制攻撃誘導論者」だ。安倍総理と何度も面会して「(首相は)稀に見る戦略家だと思います」(「文藝春秋」12月号の池上彰氏との対談)と高く評価する間柄のルトワック氏だが、私の目には「戦争仕掛け人」としか映らない。同氏の『戦争にチャンスを与えよ』(文春新書)の5章「平和が戦争につながる――北朝鮮論」には、先制攻撃の具体的な作戦が提案されているのだ。
「日本の自衛隊の特殊部隊に攻撃を命じて、パラシュートやグライダーで降下させ、北朝鮮の核施設の上に到着させ、携帯型のホローチャージ弾などでそれらをすべて破壊するのだ。もちろん、特殊部隊の90人が犠牲になるかもしれない。ただしそれは、背後にいる1億2000万人の日本国民を守るためだ」
(…)実際にこんな作戦を決行したとすれば、当然、北朝鮮は先制攻撃とみなすであろう。先制攻撃に対して北朝鮮が東京に核ミサイルで報復攻撃をすれば、「犠牲が90人」どころか、その1000倍の100万人規模の犠牲者が出る恐れがあるのだ。日本人の被害想定を極端に小さく見せかけることで、米国本土を守ることになる軍事行動の決行容認に日本の世論を誘導しようとする狙いは明白だ。
76年前に太平洋戦争では日本本土決戦を遅らせる「捨て石」「盾」として沖縄県民約12万人が犠牲になったが、小池氏や安倍総理と意気投合しているようにみえるルトワック氏は、「米国本土防衛のために自衛隊員に特攻隊役を担わせ、太平洋戦争と同じ桁数の死者が出る恐れがある北朝鮮先制攻撃をいかに日本国民に受け入れ可能にするのか」という世論工作をしている疑いがある。そして、安倍総理は「米国第一・日本国民二の次」の究極の対米従属政策である先制攻撃を容認することで意向を固めているのではないか。すでに永田町や霞が関では、米国の軍事オプションを前提とした気運が広がりつつある。
※ 北朝鮮の核攻撃を受けたら東京だけで最大800万人を超える死傷者シミュレーションも!米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」の試算をIWJが全文仮訳! 2017.12.15 https://iwj.co.jp/wj/member/archives/407691