平和への道を指し示す人 オリバー・ストーンがドキュメンタリー『オリバー・ストーン オン プーチン』を撮ろうと思い立ったのは、母国アメリカとその最大の仮想敵国であるロシアとの間の橋渡しをしたいからだった!(*と強調はセワヤキ。 動画は日本語字幕付きです。)
タッカー・カールソン(*導入部): NBCニュースやNew York Timesがウクライナの戦争について伝えてきたことは、ほとんどすべて嘘ばかりです。(…)ウクライナは勝っていない。実際大敗している。ウクライナは破壊されつつある。人々は、技術的に優れた敵との不利な戦争で虐殺されるか、難民として何百万人も地球上の他の地域に散らばっている。(…)ダグラス・マグレガー元陸軍大佐は前政権で国防長官に助言をしたベテランで、勲章を授与されている。(…)この会話は傾聴に値するものです。
*元米大統領だった伯父のジョン.F.ケネディは自分の最高の資質は「好奇心」だと思っていた。好奇心があれば、敵の立場に立って考えることができる。ジョンF.ケネディは「平和を手に入れる唯一の方法は、敵の立場に立ち、彼らの行動とその背景を理解することだ」と言っていた。彼が、核戦争までもう一歩だったキューバミサイル危機を回避できたのも、「米国が先にトルコとイタリアにミサイルを配備したことにこそその原因がある」と相手の立場を想像できたからで、それも「好奇心」のおかげだった。ロバート・ケネディJrは彼がウクライナで起きている戦争をどうしたら止められるか話しています。
♣なんとプーチンに密着取材!オリバー・ストーン監督が見た驚きの事実
(…)アメリカや日本をはじめ西側諸国の読者にとって、本書の最大の魅力は「逆の視点」から世界を見せてくれることだろう。プーチン、すなわちロシア側から見る世界は、西側メディアが伝えるものとはまるで違うのだ。
(…)いずれも西側から見れば、プーチンのプロパガンダにすぎないかもしれないが、立場が変われば同じ事象がこうも違って見えてくるというのは衝撃的であり、国際問題に対する認識が揺さぶられる。
(…)本書のもう一つの魅力は、ウラジーミル・プーチンという政治家の思考回路や人となりを知る貴重な手がかりとなっていることだ。(…)まず雄弁である。そして官僚や諜報機関からの報告書の要約に頼らず、資料はすべて原典を読むと言うだけあって細かな事実や数字に強い。歴史や文学に通じ、意外と流暢な英語を話す。ストーンに「ロシアの主張をもっと積極的に伝えていくべきだ」と促され、「そんなことは土台無理なんだ。ロシアが主張する立場は世界のメディアから無視される。だから邪悪なロシアといった論調ができあがる」と答える姿には、国際社会に対する苛立ちと諦観がにじむ。
(…)ストーンはプーチンから冗談交じりに「反アメリカ的」と言われたのに対し、「私は反アメリカでも親ロシアでもない。親・平和だ」と返す。
ベトナム帰還兵として、生きているあいだに平和な世界を見ることが望みだというストーンは、一国主義を強める母国への不安を募らせている。このドキュメンタリーを撮ったのも、アメリカの最大の仮想敵であるロシアとのあいだを橋渡ししたいという思いからだ。無意識のうちにアメリカ側の世界観を内部化しがちな日本の読者にも、近くて遠い隣国ロシアに対する理解を深めるため、また世界情勢に対する新たな視座を得るために、ぜひ本書を手に取っていただきたい。
*動画の下の概要欄も忘れずに読んでみてください。
*ラジオの報道を鵜呑みにしていた私(セワヤキ)は、このインタビューを聞いて目からウロコが落ちました。これまで、彼のことを、「独裁者で非民主的な嫌なヤツ」だと思い込んでいました。オリバー・ストーンの映画を見るまで、プーチンのことを「独裁者で非民主的な嫌なヤツ」だと思いこんでいたように。
孫崎享さんもどこかで言っていましたが、しつこく繰り返されるマスコミの断片的な色付き報道を鵜呑みにしてないで、先入観なしにその人の話を最後まで聞いてみる/読んでみることが大切であることに気付かされます。
*「ヨーロッパ最後の独裁者」という異名を持つと言われているルカシェンコ大統領は、記者の質問にどういう姿勢で答えているのか、この動画で観察!
*日本の官邸記者会見の閉鎖性について⇒ ※日刊IWJガイド「昨日、岩上安身を、総理会見から官邸はついに排除! トラブルは何も起こしていないのに!?」2023.9.14号https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52743
*ドイツの報道を聞いている限り、ルカシェンコ大統領は「独裁者」というだけでなく「嘘つき」ということになるようです。ほんとうにそういう人なのか?「独裁者」が「敵国」のジャーナリストのインタビューにこんなに丁寧に受け答えするものなのか?金平氏がかなり失礼な紋切り型の質問をしても、怒り出しもせず、誤魔化すようでもなく、誠実な態度で答えています。この金平氏のインタビューを最後まで聴いてから、ルカシェンコ大統領が本当に「独裁者で嘘つき」なのかどうか判断したらいいと思います。金平氏が、カールソン氏のように、先入観なしにルカシェンコ大統領の話を聞けたら、もっと実のある質問ができただろうと残念ですが、それを差し引いても、ルカシェンコ大統領の考え方が分かる貴重なインタビューが見られることには、金平氏に大いに感謝しなくてはなりません。