原発(核湯沸かし器)の恐怖――ベルギー連続爆破事件から学ぶべきことは・・・
〇〇さま
ベルギーの原発再稼動反対の署名のお知らせありがとうございました。
お知らせのあった日の何日か前にちょうどラジオで、再稼動されてしまったとのニュースを聞いたばかりで心配していました。その後のニュースでは、ドイツ政府もやっと腰をあげ、ベルギー政府と交渉することになったようですが、隣国に対する遠慮もあるので難しいと見られているようです。
60㌔しか離れていないドイツのアーヘンという町では、去年の2015年12月に、それまで大学病院に貯蔵されていた30万の安定ヨウ素剤を各地区の学校などに配布することにしたそうです。西風が吹くことが多いので、ドイツはもろにブルームにやられることになります。
2012年だったろうと思うのですが、ベルギーの原子炉でひび見つかったことについて、小出裕章の解説を「種まきジャーナル」で聞いたことを思い出しました。
「圧力釜の鋼鉄がガラス化してしまう限界温度(*)は、普通はマイナス何度かの低温だが、放射線の影響で鋼鉄が劣化しいくにつれ高くなっていく。やがて、プラス何度かでガラス化の限界温度に達してしまうようになり、事故が起きた場合に、圧力釜を水で冷やすことが難しくなる。おまけに劣化して圧力釜がガラス化しているということは、地震などの打撃を受けただけで瓦解してしまう恐れもある。」というようなことだったと思います。 とても恐ろしいことだと思ったので、記憶に残っています。 (* 脆性遷移温度、又はDBTT)
2015年2月17日付けのドイツの「taz」という日刊新聞の報道によると、ベルギーの原子炉で16.000 以上のひびが見つかったため、グリンピースの核専門家のHeinz Smital 氏が、「これは放射能による劣化現象だと考えられるので、世界中にある439基を厳格に検査する必要がある」という警告を発したということです。
ベルギー政府が今回それでも再稼動に踏み切ったのは、国内電力の50%以上を原発に依存しているためらしい。2025年までに脱原発するという政策を、2003年に決定ずみなのに、政策が追いつかず、電力不足が心配されている。それで、ひびが発見された原発2基を安全とみなしてまで、また、40年の使用限界が過ぎた別の二基の運転を10年延長してまで、再稼動を推し進めることにした。電力不足のほうを事故の可能性より重要視したわけです。
➡ http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201601/CK2016011002000116.html
小出さんの話が見つかりましたので、URLをコピーしておきます。
➡ https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=I_sz3Cexse8 2012/4/25
話しの中にある「脆性遷移温度(DBTT)」に関して、一番危険な原発は、佐賀県の玄海原発1号機。 その温度は、2013年4月の時点で、すでに98℃になっているそうです。高浜原発でも同温度が95℃になってしまっているとのことです。
「脆性遷移温度(DBTT)上昇により、原子炉がモロクなり、もし何らかのアクシデントが発生して、緊急冷却をした場合、爆発の危険性が、温度上昇に比例して高くなり、更に通常運転中にも事故が起きる可能性がある。」
「玄海原発の原子炉の脆性遷移温度(DBTT)は、建設時はマイナス16℃だったが、運転1年目で原子炉の中にある試験片は35℃に上がった。1993年、中性子の影響を予測する『脆化予測式』によって計算すると、建設から34年後の2009年には78℃になるはずだった。ところが試験片を取り出すと、20℃も高い98℃まで上がっていたのだ。つまり、この予測式は有効ではなく、結果は『想定外』だった。
➡ http://www.kaze-to-hikari.com/2013/04/post-19.html
2016年 2月 20日 にここまで書いてそのままにしてあったのですが、一ヶ月後の3月22日に、ベルギーで自爆テロ事件が発生しました。➡ www.sewayaki.de
原発(核湯沸かし器)の恐怖は大きくなるばかりです。
「日刊IWJガイド2016.3.26日号」に、ベルギーの連続テロについて掲載された最新情報を以下にコピーしておきます。(IWJ http://iwj.co.jp/ )
「3月22日にベルギーの首都ブリュッセルで発生した連続テロ。このテロ事件に関して、当初、実行犯はベルギーの原発を標的にしていた可能性が濃厚になってきました。ベルギーの地元メディアによると、今回のテロで自爆した容疑者のバクラウィ兄弟が、事件前にベルギーの原子力当局長官の家の前に隠しカメラを設置していたとのこと。ベルギー当局はこの情報をつかんで、原発周辺での警備を強化していました。地元メディアは「計画が事前に察知されたため、空港や地下鉄の爆破テロに変えた可能性がある」と伝えています。今回の事件により、原発がテロの対象となり得ることが、改めて浮き彫りになりました。(・・・)しかし日本政府は、何の対策もとっていません。原発関係者はテロや戦争のリスクについて真剣に考えず、安全保障関係者は、原発の存在をカッコにくくって脇において、軍事国家化を急いでいます。」
➡ テロリストらはベルギーの原子力発電所でのテロを計画していた(Sputnik、2016年3月24日【URL】http://bit.ly/1oakOEJ)
➡「私程度の訓練を受けた者なら、一人で原発を破壊できる」2015/11/05元陸上自衛官・末延隆成氏にインタビュー!http://iwj.co.jp/wj/open/archives/273709
日本が生き延びるためには、「全原発廃炉、近隣諸国との平和外交、専守防衛、米軍基地順次縮小、究極は廃絶」しかないことが、よほど頭が悪い人でない限り理解できると思います。米軍は世界中に基地を持ち、へ理屈をつけて他国を爆撃してはテロリストを生み出しています。米国が多くの人の恨みを買っていれば、その米軍基地が置かれている他の国も一緒に恨みを買うことになります。
ベルギーの自爆テロ事件から学ぶべきことは、「テロとは戦うな! 」であって、 私たちは「テロリストを生みださない!」ほうに知恵と金を優先的に使うべきではないでしょうか。
2016年 3月28日 セワヤキ www.sewayaki.de
★高浜原発3・4号機が運転停止!大津地裁による仮処分決定の意義とは? 井戸謙一弁護士インタビュー http://iwj.co.jp/wj/member/archives/47254 2016/03/25