ボルトン大統領補佐官の要請する「有志連合」って?
➡集団的自衛権行使で英・米の起こす戦争に第三国を引きずり込む
緊迫する中東情勢をめぐり、参院選が終わった日本に対して米国の視線が注がれています。米トランプ政権内で対イラン強硬派として知られるボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が、参院選の翌日にあたる7月22日来日し、谷内正太郎国家安全保障局長、岩屋毅防衛相、河野太郎外相と相次いで会談しました。
米国は中東のホルムズ海峡を航行する民間船舶を護衛するための有志連合への参加を各国に呼びかけており、ボルトン氏の来日は日本の参加を促すためのものと考えられます。時事通信の報道によると、ボルトン氏は岩屋防衛相に「2国間の同盟を強化する上で、外部からさまざまな挑戦を受ける中、重要な局面を迎えている」と語ったことが伝えられています。
※谷内氏、ボルトン氏と会談 有志連合協議か(産経新聞、2019.7.22)https://www.sankei.com/politics/news/190722/plt1907220134-n1.html
※ボルトン米大統領補佐官、岩屋防衛相らと会談=有志連合など協議(時事ドットコム、2019.7.22)https://www.jiji.com/jc/article?k=2019072200890&g=pol
他方、7月4日に英海兵隊がイランのタンカーをジブラルタル海峡で拿捕しました。英国はイランがEUの対シリア制裁に違反したと主張していますが、英紙ガーディアンは「ボルトン米大統領補佐官が、ジブラルタル海峡でイランのタンカーを拿捕するよう、英政府に勧めた」と報道しました。
イランのザリーフ外相は21日、このガーディアンの報道を受け、「ボルトン大統領補佐官は、自らの怒りを英国にぶちまけ、同国を泥沼に引きずり込もうとしている」とツイートしています。
ボルトン氏はイラク戦争の時代からネオコンの代表的なイデオローグとして知られ、トランプ政権において、「ネオコンが復活」したことを示す象徴的な人物です。
※イラン外相、「米大統領補佐官は英を泥沼に引きずり込む意図あり」(ParsToday、2019.7.22)http://parstoday.com/ja/news/iran-i54501
米国のイラン敵視の理由
※イスラエルに肩入れしイランを敵視するトランプ米政権における「ネオコン復活」の象徴・ボルトン大統領補佐官が参院選翌日に来日! 日本政府は選挙直後から「改憲と戦争」に前のめり! 岩上安身によるパレスチナの平和を考える会事務局長・役重善洋氏インタビュー第5弾https://iwj.co.jp/wj/open/archives/452366 2019.7.24 (ハイライト 9分12秒)
なぜ米国はイランを敵対視するのか(以下、役重善洋氏の発言)
▸「イスラエルの都合」
▸「イスラエルを攻撃する意思と能力を有するという意味では、(イラクの)サダム・フセイン政権がなくなり、残る最後の強敵がイランである」
▸「イスラエルという国家が成立する段階というか、シオニズム運動が19世紀末に起きてから、1948年にイスラエル国家が成立するまで、一貫してその地域(パレスチナとその周辺)の人々はシオニズム運動に反対し、建国後も周辺諸国は反対してきている。イスラエルの国家としての正当性が、その地域の大半の国から認められずに今日にいたっている。」
▸「それはヨルダン川西岸地区とガザ地区をイスラエルが軍事占領しているという話にとどまりません。国家成立の瞬間、国家成立のイデオロギーをめぐる対立ということが根本にあるので、イスラエル側から見たときに、シオニズムの正当性が認められない限りは安心できないというメンタリティがあると思います」
参院選後に動きが加速していきそうな改憲問題に関して
▸「9条はアメリカの要求を主体的に突っぱねる、日本の独自外交のスペースを少しでも確保するためのツールとして機能してきた。それを自ら捨ててしまうのは、『自主憲法』と言いながら主体性をなげうってしまうこと」
(以上、日刊IWJガイド、2019.7.25 参考)
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2019年 7月31日 セワヤキ