日本の学校教育の「アメリカ化」
安倍政権は、「成長戦略」の一環として、公教育の民営化を推進してきました。政府は2013年10月18日、国家戦略特区の具体策として、公立学校の運営を民間に開放する「公設民営学校」を承認。
それに先立つ2013.4.19. 麻生財務相の米国での発言
(ワシントンD.C.で行われたCSIS*での講演)http://iwj.co.jp/wj/open/archives/368578
「水道は全て国営もしくは市営・町営でできていて、こういったものをすべて民営化します。いわゆる学校を造って運営は民間、民営化する、公設民営、そういったものもひとつの考え方に、アイデアとして上がってきつつあります」(*CSIS米戦略国際問題研究所は、「ジャパンハンドラー」の多くが所属する”タカ派”シンクタンク)
国のあり方の根幹になる政策を、米国に行ってまで事前に報告する一方で、肝心の自国民には議論もさせず「寝耳に水」。こういう政府のやり方はこれが初めてではありません。
また、麻生氏がこの発言を他でもないCSISでしたことから、その意図が日本の教育システムの「アメリカ化」にあるのではと疑られます。では一体それはどんなものなのか、アメリカの事情に詳しい堤未果氏の著書から以下に引用させていただくことにします。
「ルポ貧困大国アメリカ」52頁から
「チャータースクールとは、資金は国から出るが運営自体は民間によって行われる学校だ。」(麻生氏の「公設民営学校」?!)
「チャータースクールに切り替えを実施した(ルイジアナ)州政府は、まず公立学校の全教師と職員、合計7500人を解雇したという。(…)学校が民営化されることで国からの予算は大幅にコスト削減され、貧困家庭の子供たちは教育における平等な機会をうばわれることになる。(…)「国家が国民に対し責任を持つべきエリアを民営化させては絶対にいけなかったのです。」
「(株)貧困大国アメリカ」.172 頁~182頁
「(『アメリカの落ちこぼれゼロ法』による)教育の市場化は、公教育を破壊して教育格差を作り出し(…)恩恵を受けたのは教育ビジネスで利益を得た投資家と大企業だ。(…)解体された教育はウォール街の投資家たちに、新しいビジネス・チャンスとして差し出されている。(…)モザイカ・エデュケーション社はおちこぼれゼロ法導入以降、教育ビジネスで急成長をとげている多国籍企業。(…)わずか4年で売り上げが倍増。世界中にチャータースクール(営利学校)を広げている」