長周新聞2018.2.1書評より 必読 ➡ https://www.chosyu-journal.jp/review/6946
『アメリカの汚名』 リチャード・リーヴス 著 園部哲 訳
1941年12月7日の真珠湾攻撃を「恥辱の日」といい、「パールハーバーを忘れるな」といって対日戦争突入を指示した大統領F・ルーズベルトが、その10週間後に大統領令を出して、12万人以上の日系アメリカ人を強制収容所に送り込み、この収容所で育った若い世代を米軍の肉弾として最前線に送っていた。
この事実は、その後為政者が隠し、送り込まれた本人も口を閉ざしてきたために長い間闇に葬られてきたが、その全貌が本書で明らかにされている。
…真珠湾攻撃は、日本にハワイを攻撃させて米国民の怒りを煽り、軍事力にものをいわせて反撃に転じ日本を占領するという、アメリカ中枢の長期戦略にもとづいたものだった。本書を読むと、日系人に対する排外主義は、真珠湾攻撃の何年も前から意図的に組織されていたことがわかる。
…本書ではカリフォルニア州マンザナー収容所の様子が記されている。収容所には36区画・504棟に分かれた馬小屋のような宿舎が並び、それを有刺鉄線を張り巡らせたフェンスと、日系人に銃口を向ける機関銃とサーチライトを備えた監視塔が囲んでいた。そのなかで子どもや赤ん坊を含む約1万人の日系人が生活した。各棟に一つしかない水道管は凍り付いており、大人も子どもも藁(わら)の上で洋服のまま眠り、朝目覚めると、ドアの隙間から吹き込む砂埃まみれになってブルブル震えていたという。…
本書を通じて見逃せないのは、アメリカの為政者たちが日本人を黄色人種として蔑視しきっていることだ。ルーズベルト自身が「日本人が狡猾で不誠実なのは、白人よりも2000年遅れた発達段階にある頭蓋骨のせいだ」と公言しているし、当時、オクラホマの州議会議員はすべての日系人に不妊手術を施すことまで提案している。 収容所をつくるために西部10州の知事が集まった場では、「カリフォルニアのゴミ捨て場になることを我慢できない」「私の州に日本人を連れてきたら、全員木からぶら下げてやる」と抗議した知事もおり、「ジャップはネズミみたいに繁殖し、挙動もまるでネズミだ。戦争が終わるまでは強制収容所に入れておかねばならない」といった者もいる。そんな彼らが、同じ時期にユダヤ人を強制収容所に送ったヒトラーを批判していたのだった。…
※ベネズエラ、白人優越主義がトランプ・クーデターの鍵
2019.2.8 必読 ➡http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/post-76be.html
『マスコミに載らない海外記事』訳者のコメント∶ 数日前「プレミアムカフェ 世界で一番標高の高い街~ボリビア・エルアルト~」を見た。番組の中か後か、日本人のことをどう思っているのか俳優の大高洋夫氏が識者に訪ねた際の「(セワヤキ∶日本人は自)国を征服した白人を一番尊敬しています。」という趣旨の答えが何とも印象的だった。現在のボリビア大統領は、ボリビア史上初の先住民出身者エボ・モラレス。…
※マドゥロが勝利し、北朝鮮が核を保持するのを私が願っている理由2019.2.8ケイトリン・ジョンストン http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/post-633a.html
…北朝鮮との核戦争を防ぐ方法は、北朝鮮をそっとしておき、制裁をやめ、脅迫をやめることだ。ベネズエラ国民を支援する方法は、彼らを飢えさせている制裁を終わらせることだ。イラン国民を支援する方法は、CIAの秘密活動と飢餓制裁を終わらせ、イランに決して余計な手出しをしないことだ。シリア国民を支援する方法は、ダマスカスを打倒しようとする過激派民兵に武器を与え、保護するのを止め、制裁を止め、不法占拠を止め、シリアの主権を尊重することだ。平和を推進する方法は、世界中の誰よりも平和を損なってきた組織、つまり、アメリカ帝国に反対することだ。…