安倍政権下での改憲の本丸が緊急事態条項の創設であることは、決して変わりありません。安倍総理は9条改正ばかりに言及して、緊急事態条項については口を閉ざしています。このまま緊急事態条項の危険性が周知されることなく、選挙を経て改憲勢力が多数を占め、国会で改憲が発議されてしまえば、9条改正を阻止できたとしても、緊急事態条項はこっそりと創設されてしまいかねません。

（以上、日刊IWJガイド、2019.05.06より）

憲法学の「神様」がIWJに降臨！ 樋口陽一・東京大学名誉教授が岩上安身のインタビューで自民党改憲草案の狙いを丸裸に！https://iwj.co.jp/wj/open/archives/287549 2016.2.17 全編動画1:49:57公共性に鑑み特別公開中!

早稲田大学の憲法学者の水島朝穂氏:「これは歴史的なインタビュー。樋口先生は、我々憲法学者にとっては神様のような人。しかしテレビにも出ない人で（これ
まで、一切、テレビ、雑誌、タブロイド紙の取材は断ってきたとのこと。ネットも！）、生で話が聴けるというのは、たとえ15分〜30分でも大変貴重だから、弟子にも若手の研究者にも、PC前に待機しているように言っておいたんだ」「樋口先生の話は、憲法学者だけじゃない、影響力が官僚や自民党の政治家にも及ぶ。なに!? 録画で４倍の2時間強もインタビューした!?それは凄い！歴史に残る！」https://iwj.co.jp/wj/open/archives/287660

～～～以下、日刊IWJガイド、2019.05.06参考～～～

本インタビューで樋口氏は、2012年に発表された自民党改憲草案の危険性と法的矛盾を、次々と論破していきます。

◆改憲草案前文などに散見される日本の伝統回帰に関して

樋口氏∶「『助け合い』は、戦争体験者にとって、隣組、相互監視を連想させ、『和』は、『議論してはいけない。長いものには巻かれろ』。『家族』はもっと深刻で、戦前までの家長である男性への女性の服従を連想させる」

◆上記の復古主義的な側面とは対照的に「活力ある経済活動を通じて国を成長させる」という言葉も登場。（新自由主義に寄りかかって「岩盤をドリルで壊す」ように日本を壊していくことを宣言しているかのような）この条文に関して

樋口氏∶「改憲草案では、22条『何人も、居住、移転及び職業選択の自由を有する』とだけにして、『公共の福祉に反しない限り』を切り捨てた。その代わりに、12条（国民の責務）、13条（人としての尊重等）、21条（表現の自由）には、『公益及び公の秩序に反してはならない』を書き入れている。つまり経済活動の自由にだけ、それを入れていない。その意味が、前文の『美しい国土と自然環境を守りつつ、～活力ある経済活動による国の成長』とリンクするのです。しかし、経済活動が自然を破壊するのは明らかで、矛盾する2つの柱を立てている。実際、期待されているのは活力ある経済活動によって、岩盤は破壊されるが、リップサービスで癒しを提供しているということ。そこは警戒しないといけません」
「そういうことは、すでに世界中で起こっている。タックスヘイブンしかり。それに対し、グローバル時代に歯止めをかける運動も世界中である。ところが日本は、その新自由主義を憲法で規範化しようとしている。私の知る限り、他の国の憲法には見つかりません」
「それらが巡り巡って『緊急事態条項』で帰結する。これは（この条項の目指すものは）決して緊急事態の対処ではないことを、真剣に考えなければいけません」

大手メディアが決して正面から取り上げない緊急事態条項の危険性については、改めて認識を深める必要があります。

樋口陽一氏に関する IWJ の記事一覧 https://iwj.co.jp/wj/open/?s=%E6%A8%8B%E5%8F%A3%E9%99%BD%E4%B8%80&area=

緊急事態条項に関する IWJ の記事一覧https://iwj.co.jp/wj/open/?s=%E7%B7%8A%E6%80%A5%E4%BA%8B%E6%85%8B%E6%9D%A1%E9%A0%85&area=

古館伊知郎が訴える緊急事態条項の危うさ【報道ステーション】2016.03.18
https://www.youtube.com/watch?v=3BxjQ5kOurA&feature=youtu.be

2019年 5月7日セワヤキ