日本が『ウクライナ』になる日が近づいている! 「代理戦争」? まっぴら御免! 「『中国バッシング』は止めなければならない」!
ウクライナでは、まず、欧米による軍の重武装化があり、ウクライナ軍による8年にわたる自国民であるロシア語話者への攻撃が続き、ついには露軍侵攻を招いた。 アジアでは、メディアを使った「中国脅威」の扇動を何年もやり、自衛隊を重武装化させ、中国を挑発しつつある。一方、インドはロシアとの貿易を増やし、ドイツ経済相は「我々は愚かではない」と述べた。(要約と、赤字・強調はセワヤキ)
♣【日刊IWJ 2022.12.17】https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/51662
岸田内閣は12月16日、「国家安全保障戦略」、「国家防衛戦略」と「防衛力整備計画」の、「安保3文書」の改定を閣議決定しました。 「国家安全保障戦略」では、2027年までに5年間で43兆円、NATO基準「GDP2%の防衛費」、「スタンド・オフ防衛能力等を活用した反撃能力の保有」などが示されました。「日米同盟の強化」のほか、「自由で開かれた国際秩序の維持・発展と同盟国・同志国等との連携の強化」が掲げられ、さらに「中国・北朝鮮・ロシア」の3カ国を名指しで「脅威・懸念」の対象と明記しました。
中国外交部は「根拠なく中国を貶めている、軍事力増強の口実を見つけるために『中国の脅威』を誇張することは、失敗する運命にある」と強く批判! 日本は「厳しさを増すわが国周辺の安全保障」だけではなく、ウクライナ紛争で顕在化してきた世界秩序構造変化を見据えた「代理戦争に巻き込まれない」「代理戦争をさせない」外交安全保障政策を進めるべき!
♣激動の2022年を振り返る!コロナ禍も明けぬ中、2月にはウクライナ紛争が勃発! 7月には安倍元総理銃撃事件を発端に統一教会問題が再燃!岩上安身による 元外務省国際情報局長 孫崎享氏インタビュー https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867
孫崎氏「これは、大手メディアも報道しなかったから、わからないわけですよね。私はたまたま、ウクライナが使うドローンとロシアが使うドローンの比較を『ワシントン・ポスト』かどこかが書いていたのを読んだんですね。 『ワシントン・ポスト』が次のようなことを言ったわけです。『去年(2021年)の11月、ウクライナはトルコ製のドローンでもって東部(セワヤキ注: ロシア侵攻の約3ヶ月前、ロシア語話者が住むウクライナ東部ドンバス地方)を攻撃し始めた』と。
だからこれは、今言われているように、民兵的な人たちが攻撃するのではなくて、ウクライナ政府が、ウクライナの正式な(軍隊)が、ドローンというものを使って(セワヤキ:ロシア語話者である自国民を)攻撃をした。これがプーチンを戦争に追い込んでいった一因であるとみられると。こう、『ワシントン・ポスト』が書いたんですよね。 こういう言い方は、今までなかったんですよね。だから、日本の多くの人は、何もないところにロシアがいきなり武力を使って侵攻した。これを許したら、武力を使うことを容認することになる、ということで、『プーチンを攻撃しなきゃいけない』という感じなんだけども。 実はその前哨戦に、ウクライナの東部を巡って(ウクライナ政府)軍と(東部分離独立派)軍の戦いがあって、ウクライナ政府が武力を使って攻撃をしていたと。 それを今、しらっと『ワシントン・ポスト』が書き始めてるから、何が起こっていたのかということを、少しでも見ていただきたいと思います」
岩上「ウクライナ共和国というものがあって、その一角にロシア人が多いわけです。ロシア系住民、ロシア語話者が多い。 なぜなら、当たり前ですけど、(今のロシアとウクライナの国境は)『県境』でしかなかったので。ソ連、あるいはその前のロシア帝国では。西側に行けばウクライナ語話者が多い、ロシアとの県境に近い東部に行けば、ロシア語話者が多いというのは当たり前だったわけですけど、フルシチョフの時代に線引きを変えたわけですよね。 そして(線引きを)変えたまま、1991年、大混乱の中でウクライナ独立が行われ、ソ連が崩壊すると。
だから、(ロシア語話者がウクライナ国内に)取り残されたわけです。ソルジェニーツィンは、『3000万人ものロシア人が、ソ連解体によって、ロシアの外に取り残されて、非常に苦しい思いをしている』ということを、すごく嘆いていた。その本(『廃墟のなかのロシア』、『甦れ我が祖国よ』)は当時読みました。
いってみれば『人質状態』にいながら、いじめられる対象になる。想像がつかないくらいですが、ロシア語の禁止とか、同じウクライナ国民として払っていた年金の支給をストップされるとか、ありえないような人権侵害を、ウクライナ共和国が行っていた。それがさらに激化して、路上の暴力、ネオナチの暴力だけじゃなくて、(政府)軍が攻撃する、空爆をする。それを8年間も行ってきたわけですよね。
それを一切、西側のメディア、西側の国々とか日本含めて、それを咎めることなく、これは民族浄化じゃないかということもなく、追い詰めて追い詰めて追い詰めて、ロシア側が住民保護のために出てきたと言って、今戦争になっているという、この前史ですよね」「ロシア文学も、ロシア音楽の演奏も、ロシア演劇も全部否定する。一切(教科書に)載せてはいけない、教育も受けてはいけない。」
2021年の12月から2022年の1月にかけて(セワヤキ: 露軍侵攻は2022.02.24)、ロシアが求める「NATOの東方不拡大の法的保証」と「ウクライナ・東欧に対露用の米核兵器を配備しないこと」をめぐって、米国とロシアの間で、トップ会談が続きました。しかし、結局、米国がロシアの要求を受け入れることはありませんでした。
孫崎氏の2022年2月28日のツイート
「(…)NATO、ドイツ、スエーデンなどが武器供与を表明。(…)EU等の政策は戦争終結ではなくて拡大に向けての政策となる」
ランド研究所が2019年に出したレポートについて
岩上「(ランド研究所が2019年に)ロシアに全力を使い果たさせて消耗させるという、有名なペーパーを書いているんですね。それを見ると、今やってること、その通りになっているんですよ。
まったく(ランド研究所の報告書にある)計画の通りで。ひとつだけ、外れているのは、『ロシアは石油収入と資源収入の国だから、ここを閉して禁輸する、それから決済システムから外す。輸出できない、買うものがない。そうなったら、経済的に弱体化してあっという間にダメになる』と、ここは、間違ったんですけどね」「特に軍事に関しては。(ランド研究所は)規模では、今はCSISのほうが大きいかもしれませんが、伝統と権威と、信頼性は大変高いとされていますよね。
そのランドは、もう、本当にあからさまに、ロシアを『extend』する、『拡張させる』という言葉なんですが、全力を使い果たさせて、膨張させて、消耗させる、力を使い果たさせる、という政策、ペーパーを出してるんですよ。その通りに(ウクライナ紛争は)いきました。
実際どうだったか。予定されていた通りなんですよ、『スイフトから除外を発表』これもやったんです。ところが、結果は違った。皮肉にも、脱ドル決済システムが加速しちゃったと。もう、中国とロシア、ロシアとインドなどが自国通貨などで決済を始めちゃった。今、中国とロシアの間では4分の1ぐらいが(自国通貨などで、非ドル通貨で決裁を)行ってしまっている。ルーブルはもちろん、金融とスイフトからの除外によって大暴落しましたが、ロシアが石油やガスの支払いを各国にルーブル払いで求めたら急騰してしまいました」
ウクライナ紛争の「後」を考える上で重要なのは、今、世界が大きく変わりつつあることだと、孫崎氏は述べました。孫崎氏は、中国の習近平国家主席が、大の親米国家であったはずのサウジアラビアを訪問し、両国が資源の売買で人民元を使う交渉をした件について言及し、米国の覇権を支えてきた一つの柱である「基軸通貨ドル」の世界的な影響力が下がっていくと述べ、いまやG7よりも、非G7のほうが経済力が大きい、日本も米国に付き従っていけば、世界の中心にいられるという時代は終わったと指摘しました。
孫崎氏「戦争で『どこに撃て』という指示は、ウクライナは引き金を引いてるかもしれないけれども、指示はアメリカから来ているわけですよ。例えばロシア(領内のロシア空軍基地の)飛行場に(ウクライナ側がドローンで)撃ちましたよね。『このポイントに撃った方がいい』というのをウクライナ人が判断しましたか。してないんですよ。 おそらく、それと同じことは東アジアで起こるんですよ。日本がミサイルみたいなものを持つ。その時に、どこかに、目的地に向かって撃つ。しかし、その目的地を日本人自身が判断はできないんですよ」
岩上「しかも、いざ実際に有事となった時には、指揮命令系統は自衛隊は米軍下に入るということを、ほぼほぼ決定している、閣議決定で。国会で全然審議しないままにですよ。こんなことは主権国家としてありえない」
♣ 【日刊IWJ 2022.12.18】米国の、中露に対する怒りとも憎しみとも見える感情は凄まじく、中露との平和的共存や多極化された世界を受け入れる気は毛頭なく、米国か、中国か、どちらかが屈服するまで闘いは続くとランド研究所のレポートは「決意表明」していますが、そうした感情自体が、地球にとって、人類にとって、迷惑なものです。もちろん、日本にとっても、です。
♣「国防バカ」がつくる欠陥戦略~ウクライナ戦争に学ぶ日本の防衛力整備⑤ 須川清司 上級研究員 2022.12.11「Alternative Viewpoint (AVP) 」の第47号
(…)台湾の世論調査でも、「できるだけ早く独立を宣言したい」は6.4%にとどまり、86.1%が「現状維持」を望んだ。(…)(セワヤキ:「台湾有事」は日本が望む?)
♣中国とドイツの関係はアメリカ戦略計画をどのように傷つけるか
2022.12.06 http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2022/12/post-aa70e1.html
(…中国)訪問以来。ドイツ当局はドイツは中国との事業を継続すると強調している。中国への「過度の依存」に関するアメリカ・メディアの質問に答えて、ドイツのロベルト・ハーベック経済相は我々は「愚かではない」と述べた。彼らは愚かではないからアメリカの反対や警告にもかかわらずオラフ(セワヤキ:ドイツのショルツ首相)が中国との貿易関係を拡大するためドイツの主要実業家を同行させたのだ。(…) これら数字はドイツ企業にとって理にかなっている。彼らの多くはドイツには「中国問題」がないと考えている。例えば化学企業BASFのCEOマーティン・ブルーダーミュラーは「中国バッシング」は止めなければならないと述べた。彼の言葉を引用すると「全体として我々は(中国への)関与を拡大することが有利だという結論に達した」。(…)オラフはポリティコ論説で書きアメリカ聴衆に説明した通り世界は中国との新たな冷戦を必要としないと考えている。(…)