中国・北朝鮮の脅威? 攻めてきたらどうするかというが、攻められるようなことしたか? 日欧米の中国包囲網が中国を軍事大国に押しやるのではないのか? 米国の「敵視政策」が中露イランを結束させたのではないのか?
♣中国軍が中東に基地を構える日――中国は「第二のアメリカ」になるか(六辻彰二 2020.07.12)https://news.yahoo.co.jp/byline/mutsujishoji/20200712-00187693/
(…)仮に一連の報道が事実なら、中国はイランが困り果てた状況でキーシュ島の租借権を手に入れたことになる。イラン外相が北京を訪問し、協定が修正されたといわれる昨年8月は、ちょうどアメリカとの対立が激しくなった時期にあたるからだ。 トランプ大統領は「イランが核開発に着手している」と主張し、2015年のイラン核合意を一方的に破棄。2018年暮れには経済封鎖を再開し、特に2019年春頃からは段階的に制裁を強化しただけでなく、戦略爆撃機などを派遣してイランを威嚇し始めた。(…)アメリカによるこれまでにない圧力は、イランをそれまで以上に中国に接近させ、国内から批判が噴出することが目に見えていたキーシュ島の租借にまで足を踏み入れさせたといえるだろう。(…) このパターンに照らしてみると、イランに軍事拠点を構えた場合、中国はインド洋からペルシャ湾にかけての一帯でのプレゼンスを高められるだろうが、そのプレゼンスが大きいだけに、過激派から標的にされる公算も大きくなる。それは中国の中東進出におけるアキレス腱になり得る。中国政府はこれまで米軍の海外展開をしばしば「帝国主義」と批判し、「中国はアメリカと違う」と強調してきた。だがイスラーム圏で敵意の的になった場合、中国とアメリカの違いはこれまでになく小さくなるとみられるのである。
♣時事放談(2021年6月) 孫崎享 × 鳩山友紀夫必見⇨https://www.youtube.com/watch?v=tt2W3tpCp4A 以下、該当部分要約
イスラエルが米国のイランとの核合意復帰に反対(https://www.bbc.com/japanese/57524285)する理由は、そうなれば経済制裁が緩和され、イランの政治・経済・社会が安定する恐れがあるからだ。経済制裁が続けば、宿敵イランが力をつけるのを阻止できるからだ。
♣中国が台湾に武力行使をしない3つの理由 「台湾有事が近い」とは中国側の論理から読み取れない 2021.05.21必読⇨(1~4) https://toyokeizai.net/articles/-/429538
(…)中国軍用機が台湾海峡の「中間線」を越境し、軍事的緊張が高まっているのは事実だ。ただそれを「台湾侵攻」の先駆けととらえるのは正しいか。中間線の越境は2020年夏、トランプ政権の閣僚級高官の台湾訪問や、アメリカ軍艦船の頻繁な台湾海峡通過、台湾への大量武器売却など、いずれも台湾関与のエスカレートへの「報復」だった。アメリカ・イェール大学の歴史学者オッド・アルネ・ウェスタッド教授は、中国の行動を「国益を阻害する他国の動きに対抗している」と、アメリカの行動への「受動的」な性格とみている。(…)統一への時間表は明示してはいないが、戦略目標とリンクさせたことで論理的には2049年以前には統一を実現していなければならないことがわかる。同時に「台湾との融合発展を深化し、平和統一の基礎にする」から判断すれば、統一を急いでいるわけではなく、「息の長い」政策と言えるだろう。
中国が台湾への武力行使をしない3つの理由
第1に、軍艦の数では中国はアメリカを上回るが、総合的軍事力では依然として大きな開きがある。米中和解に道を開いたヘンリー・キッシンジャー元国務長官は4月30日、米中衝突は「世界の終末の脅威を倍増させる」と警告した。鄧小平は「実事求是」(事実の実証に基づき、物事の真理を追求する)を説いた。米中の実力差(事実の実証)から考えても、「台湾有事」は回避しなければならない。
第2は、「統一支持」がわずか3%にすぎない「台湾民意」にある。民意に逆らって武力統一すれば台湾は戦場になる。武力で抑え込んだとしても、国内に新たな「分裂勢力」を抱えるだけで、統一の「果実」など得られない。
第3に、武力行使に対する国際的な反発は、香港問題の比ではないだろう。習指導部は第14次5カ年計画で、中国が「新発展段階」に入ったと規定した。経済成⾧だけを求める時代は終わり「素晴らしい生活への需要を満たす」ため、人々の生活の質的向上を目指す新任務を設定した。武力行使は、「一帯一路」にもブレーキをかけ発展の足を引っ張る。「新発展段階」が行き詰まれば、一党支配自体が揺らぐ恐れが出てくる。
習は2021年3月末、台湾の対岸に位置する福建省を訪問した際「両岸の融合方針」を再確認する発言をした。「武力行使は近い」との西側観測を否定するシグナルだった。台湾でも以来、武力行使切迫への危機感が薄れ始めた。
アメリカや日本の中国専門家も、中国側の論理をよく知っており、台湾有事が決して切迫しているわけではないことは理解しているはずだ。にもかかわらず、日米当局者が「有事論切迫」を宣伝する狙いはどこにあるのだろう。(…)菅政権は「台湾有事」への警戒感や世論が高まっている今こそ、台湾有事に対応する集団的自衛権行使を可能にする国内態勢作りのチャンスとみているはずだ。日本への直接の武力攻撃に至る恐れがある「重要影響事態」認定の是非をはじめ、アメリカ軍の艦艇や航空機を守る「武器等防護」発令や、「武力攻撃事態」が可能かどうかのシナリオ作りを始めている。(…)
♣「米軍基地の負担を強いられてきた沖縄からみる集団的自衛権への異論、憲法を軽視する安倍政権を前泊博盛氏(元琉球新報論説委員長・沖縄国際大学教授)が批判ー憲法破壊の「集団的自衛権」行使容認反対!安倍政権は民衆の声を無視するな!戦争をさせない1000人委員会 6.19 院内集会」2014.6.19 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/147515 (以下、日刊IWJ 2021.06.23 より)
集団的自衛権をめぐる議論について
前泊氏:「世界の軍事力の6割を持っている国(米国)に戦いを挑むとなれば、10倍、100倍返しにあう。そこまでして米国を攻撃する国がいれば、手を上げてほしい。なぜか『攻めてきたらどうするか』というところから議論するが、攻めてくる前には必ず前段がある。」「そもそも日米安保だけでいいのかという議論も必要だ。米国は101カ国に基地を持ち、条約を結んでいる。なぜか日本は米国のみ。すべての国と安保条約を結ぶべきだ。集団的自衛権の議論では『軍事安保』ばかりが議論され、『経済安保』の話などが欠落している。」「新しい日本の安全保障を考えてほしい。最初に犠牲になるのは沖縄だ」
北朝鮮問題について
前泊氏:「攻めてきたらどうするかというが、攻められるようなことしたか」「日本は北朝鮮にたくさんの石油やお米の援助をしている。なんで攻められなければいけないのか。北朝鮮は日本を攻めたら損をするということが何故語られないのか。」