神社本庁の本質: 安倍内閣を支配する極右団体 / 在特会より危険 !?
2014.10.18 リテラ http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4509.html
ネオナチ、在特会、統一教会……。安倍内閣の閣僚とカルト極右団体の関係が次々に明らかになっているが、実はこの内閣にはもっと強大で危険な極右団体がバックについている。その団体とは神社本庁だ。安倍内閣の19閣僚中なんと16人が神社本庁を母体とする政治団体「神道政治連盟国会議員懇談会」のメンバーであり、そして、安倍晋三首相はその神政連国議懇の会長をつとめているのだ。
自主憲法の制定、靖国神社での国家儀礼の確立、道徳・宗教教育の推進、東京裁判と侵略戦争の否定、A級戦犯の擁護、夫婦別姓反対、ジェンダーフリー反対、皇室と日本の文化伝統の尊重……。もちろんこれくらいは、保守的な宗教団体の主張としては珍しくない。しかし、神社本庁の機関紙「神社新報」を見ていると、もっととんでもない主張がしばしば登場する。それは「祭政一致」だ。「祭政一致」とは、神道の祭り主である天皇が親政も行ない、国政上、政府はそれを輔弼する(進言する)役割にとどめるという、大日本帝国憲法で明文化されていたものだが、神社本庁はそれを復活すべきだというのである。
・・・そもそも神社本庁という組織自体が、祭政一致と対をなす「国家神道」復活を目的に作られた団体だからだ。「国家神道」というのは、いうまでもなく、日本の近代化にともなって推し進められた神道国教化政策のことだ。天皇にいっさいの価値をおくことで近代国家の統合をはかろうとした明治政府は、神道をその支配イデオロギーとして打ち出す。そして、そのために神社を国家管理の下におき、地域に根付いて多様なかたちをとっていた神社を伊勢神宮を頂点に序列化。民間の神社信仰を皇室神道に強引に結びつけ、天皇崇拝の国教に再編成していった。
この国家神道から、国民には天皇への絶対的な忠誠が強要され、日本だけが他の国にはない神聖な国のあり方をもっているという「国体」という観念が生まれた。
そして国体は八紘一宇という思想に発展し、侵略戦争を正当化していった。つまり、国家神道は「現人神」の天皇の下、軍国主義、国家主義と結びついて、第二次世界大戦へと突き進む思想的支柱だったのである。今、我々が真に問題にすべきなのは、在特会やネオナチといったそう大きな影響力のないカルト団体との関係ではなく、日本最大の信者数9125万人を誇り、社会的にも完全に認知されている神社本庁と政権の一体化、そして、この宗教団体がもつ本質のほうではないか。
断っておくが、この団体がもっている思想は、日本古来の伝統や神社信仰とはまったく異なるものだ。むしろ、神社本庁は神道が古来より大切にしてきた信仰を踏みにじるような行為も平気でやっている。
・・・(例えば)四代正八幡宮は由緒正しい神社で、周囲には、縄文時代からの鎮守の森が広がっている。また、八幡宮の眼下の入り江一帯は世界的に珍しい貝類が生息し、日本生態学会も調査に入るなど、自然の宝庫として注目を集めている。
ところが、その森に、上関原発の第一号炉の炉心、発電タービン建屋を建設する計
画がたてられ、98年から神社側に土地の買収が働きかけられるようになったのだ。
しかし、当時の八幡神社宮司・林春彦は土地の売却を認めなかった。当然だろう。そもそも神社本庁憲章第十条には「境内地、社有地、施設、宝物、由緒に関はる物等は、確実に管理し、みだりに処分しないこと」という規定があり、神社の土地は売却できないことになっている。これは、一木一草に神が宿っているとする古代からの神道の考え方からくるもので、神社の森は鎮守の森、神の棲む森とされ、各神社はそれを守ることが固く義務づけられてきた。・・・
実際には古くからの信仰を守ろうとした宮司を追放し、神が棲む森を原発に差し出した。これはまさに、神社本庁による「神殺し」といってもいい暴挙ではないか。
日本の神社信仰はもともと「神道」という形でひとつにまとめられるようなものではなく、それぞれの地域によって多様なかたちをもっていた。大木や巨石など自然物をご神体とする神社も多かったし、その村固有の祖先を祀る祠、民衆が安寧やご利益を祈るための神社、また八坂神社や稲荷神社のように大きな神社でも天皇崇敬と関係のない神社もけっこうあった。
ところが、明治政府が近代国家の支配イデオロギーとして「国家神道」を打ち出すと、こうした多様な信仰がすべて皇室神道、天皇崇敬と結びつけられ、伊勢神宮を頂点にして序列化されていく。
・・・国家神道というのは宗教ではなく、「神」よりもまず「国家」なのだ。「神」、もっといえば「皇室」さえも、為政者が国民を支配し、国を強化していくためのツールにすぎなかった。そして、この体質は今も神社本庁に脈々と受け継がれている。だからこそ「国家」や「自民党の政治家」からの求めに応じて、神々が棲んでいるはずの縄文の森を平気で原発に売り飛ばすことができるのだ。
しかも、この団体は今、自分たちの息のかかった政治家を大量に政権に送り込み、再び日本人が国家のために命を投げ出す政策を着々と推し進めている。国力増強のために自然や人々の暮らしを平気でふみにじる政策を次々実現しようとしている。
参考: 神社で起きている「異変」――境内に櫻井よしこ氏の改憲ポスターが!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/281360
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