米国追従をやめられない日本に忍び寄るミサイル戦争の危機
♣復帰49年 特別鼎談3「ミサイル戦争の危機 オール沖縄の針路」16.08.2021 必見⇨https://www.youtube.com/watch?v=njma6HsYd-s 《以下、要点》
九州南部から南西諸島にかけて陸上自衛隊のミサイル基地建設が急速に進んでいる。その危険性に国民が無自覚であることは驚きだ。宮古島・石垣島に自衛隊が「攻撃能力を持って」入るということが沖縄県民の運命どころか日本全体の運命を変えてしまうということに気づいてほしい。米軍が日本から出ていかないのは、日本全体をアメリカの防波堤にする意図があるからで、まさにこれからそれを使おうとしているんだという現状を全国民に認識してほしい。菅原文太さんが遺した言葉に「政治の役割は2つ。国民を飢えさせないこと、絶対に戦争をしないこと」があるが、自公政権は真逆のことをしようとしている。
最近「台湾有事が6年以内にある」と言われるようになり、菅総理とバイデンの首脳会談で「台湾」が口にされてから反中国感情がエスカレートしている。実は、マスコミでは取りざたされていないが、カート・キャンベル氏(ホワイトハウスの熟練外交官、国家安全保障会議のインド・太平洋調整官として政策のトップにある)が「我々は台湾との非公式ではあるが強力な関係を支持する。しかし台湾の独立は支持しない」と発言している(2021.07.06)。 考えてみれば、1972年に出された中国との国交正常化共同声明の最大案件が、「一つの中国」を原則とすること(https://toyokeizai.net/articles/-/440902 2021.07.15 1~3)なのだから当然の発言だ。
中国のミサイル飛距離がのびたことに対応して米国側は2010年にエアシーバトル構想(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40501)というものを出した。米軍・その家族はグアム、ハワイに撤退させる方向に動いている。南西諸島を含む日本全列島からなる「第一列島線」で、(米軍でなく)自衛隊が中国と戦うことを意図する構想だ。米軍の指揮下で第二軍としての役割を担うことになる。最近は、核弾頭も積めるミサイルを、抵抗が少ないであろう奄美にまず設置する、という話が出ている。それが順次日本列島中に広がる恐れがある。自衛隊基地にミサイルを置けば、戦闘の際、「日本からの攻撃」ということになり、米国は当事者にならずにすむ。対中戦争の「主語」を、(米国でなく)日本にしてしまうというわけだ。
特定秘密保護法、共謀罪で「国が国民を監視する」仕組みができてしまっているが、それに重要土地調査規制法が加わり、今度は「軍隊が国民を監視する」ことも可能になる。今や「国民が国民を監視する」事態も起こりうる。軍隊がいるということで、その地域の人権より軍事が優先されてしまう。ここまで戦争準備の法律が整ってしまった段階で、「軍備は抑止力に役立つ」(「抑止力の罠」!)などとは言ってはいられない。戦争は知らぬ間に始まる。そして、オリパラ開催でわかったように、一旦始まった戦争は、止められないお国柄だ。あまりに危険過ぎる!
映画「標的の島」監督 三上智恵 予告編必見⇨http://hyotekinoshima.com/trailer/
集英社新書「証言 沖縄スパイ戦史」三上智恵 著
♣重要土地調査規制法案スピード可決「台湾有事のための戦時立法」アメリカ軍の戦略のために日本全体を最前線の「戦場」にする法案2021.6.22 《以下、要点のみ》必見⇨動画13分55秒https://iwj.co.jp/wj/open/archives/493483
2つの「戦争準備法案」が2021.06.16に可決・成立!
▶「国民投票法改正案」改憲・緊急事態条項導入への扉となる
▶「重要土地調査規制法案」米軍戦略に沿って日本列島全土をミサイル要塞=軍事目標にする準備になる
その背景にあるのが2019年に打ち出された米軍の「海洋圧力戦略」。これは中国軍を「第一列島線」内に封じ込めるための戦略。重要なのは、その実態が安全保証どころか「日本を盾にして米軍を守る戦略だ」という事実である。「中国軍のミサイルを無駄撃ちさせる標的(ミサイルホイホイ)」として日本を使い、列島を「蜂の巣」にすることを計算に入れた恐ろしい戦略であり、それが日米合同軍事演習の中身なのだということの重大さを、我々国民は肝に銘ずるべきだ。
♣日本外国特派員協会主催 柳澤協二氏(元内閣官房副長官補)、半田滋氏(防衛ジャーナリスト)、猿田佐世氏(新外交イニシアティブ代表「台湾有事は起こるのか?」 2021.8.11 必見⇨https://www.youtube.com/watch?v=jdjVT0M8tKo 要約
米中対立は、特に台湾問題で悪化しており、それはすでに「戦争」の危険水域に達している。日本が戦闘に巻き込まれる恐れがあるという危機的状況の中、「日本は台湾を防衛する」との麻生氏の発言があった。それは即ち中国との戦争を意味する。これまで保たれてきた米中台間での平和を保つ条件、「『一つの中国』。台湾独立は認めないという合意」が、これで崩されてしまう。
台湾の人々は自らを、中国人というより「台湾人」だと思う傾向にあるし、経済的にも中国と台湾を切離そうという圧力がかかっている。そして肝心の軍事面では、すでに中国が有利になっている。いつ何が起きても不思議でない。そんな危険な状況下にある日本が、その最大の政策目標を「中国封じ込め」などとするのは論外であり、そうではなく、「外交的手段を使って米中間の戦争を回避する方法をさぐること」の方を政策として打ち出すべきである。
中国の人権問題については、自らが人権を守ることとは違って、外から口を出して他国に人権を守らせることは不可能であり、それは中国の人たちが長い時間をかけて自分たちで変えていくべきものである。意見の違いを議論/批判し合うことは必要だが、人権を理由にして制裁を加えたり戦争したりすることは、なんとしても避けなくてはならない。我々自身の国が民主的で暮らしやすい国になれば、それが間接的に中国社会にも影響力を与えることになるだろう。
♣孫崎享 × 鳩山友紀夫 「防衛白書に楠木正成のイラストが…」https://www.youtube.com/watch?v=sT1Eqys9PDc 2021.08. 23 要点
軍事的に見て、中国・北朝鮮のミサイルを日米が防衛する手段はないのが現状。それは、米国防省が行った18種の対中国の図上演習で、中国側がことごとく勝利していることからも明らか。「楠木正成のイラスト」は、日本国民を戦争の方向にイメージ操作することになるので、非常に危険だ。コロナ対策に必要な予算を確保すべきときに不要不急の防衛費を増やしている政府である。戦意を煽って国民に巨額な防衛費を納得させようという意図があるのではないか。
あるべき防衛白書のメッセージは、例えば以下のようなものではないだろうか。
「中国、北朝鮮、ロシアなどの核保有国と軍事的手段で日本が争うことは、残念ながら非常に難しい。だから我々のやるべきことは、いかにしたらこれら隣国との武力紛争を避けられるのか、その手段を考え出すことだ。軍事力による日本の防衛には限界があるので、これら隣国と武力対立しないですむ方法を、国民の皆さん、是非いっしょに考えてください。」