小西洋之議員「憲法奪還の戦いがこれから始まる!」 2015/09/19 岩上安身による緊急インタビュー!http://iwj.co.jp/wj/open/archives/265985
小西「国会は内閣が違憲の法律を出してきたとき、その法案が何故違憲なのかを確信をもって国民に説明し、内閣を倒さなければならない。それが国会の仕事、責務なのです。残念ながら国会議員は勉強不足で安保法案が違憲であることがちゃんと分かっていない。今回、法案を止めるためには、この違憲の法に賛成票を投じた与党議員を揺さぶらないといけなかったんです。これができなかったのは、国会議員と政党に全責任があります。衆参でこれに賛成した議員はけじめをとって落選してもらわなければいけない。
集団的自衛権が違憲であるいうことは『平和主義の制限がかかるから集団的自衛権はできない』とこれまでも言われてきました。でもそれは憲法9条との関係でしか捉えられてきませんでした。憲法の前文と集団的自衛権は全く矛盾するのですが、それがいかに矛盾するか、戦後の議会では一度も議論されていないんです。平和国家を守ろうとは言うが、どういう平和主義が憲法の中に書いてあるか、誰も言ってこなかったんです。反対票を投じる時に、私は憲法の前文を読み上げたんです。平和主義の部分なんですけども。『① 日本国民は政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する(国民主権)』
かつての国家権力は、国民と離れたところで戦争の惨禍を起こしました。国民主権とは、ただの国民主権ではない。戦争放棄と結びついたものなんです。国家権力が勝手に戦争を起こすことを許さない国民主権なんです。しかし、集団的自衛権は内閣と国会が起こす戦争です。国家によって戦争を起こすことを許すのが、この集団的自衛権の立法です。ですから、憲法を変えるを持っているのは国民です。国民主権なのだから、集団的自衛権を可能にしたいなら、政府は国民投票で国民の意思を訊かない限り憲法違反なんです。
一方で、個別的自衛権だけは、『外国の侵略があった場合に国民がなぶり殺しにされるのか』ということで、憲法を読み直すことにした。そしたら『平和的生存権』と書いてある。それで、『9条との関係があっても、調和している』という解釈でギリギリ許されているんです。
さらに憲法前文には『そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する』と書いています。
さらに『これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基づくものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する』と書いてある。つまり、(憲法に違反する)7.1閣議決定や安保法制などのようなものは、『排除する』と憲法に書いてあるんです。
これを日本の市民の皆さんがみんなで共有する。前文に何が書かれているかをみんなで共有する。安保法制と憲法は矛盾しているとして各党党首にもみんなが言う。新聞も書く。市民とマスメディアが、『なぜ安保法制が憲法違反か』を国会議員に伝えることが、実は非常に効果があります。またそうしないと止められません。」
岩上「戦前を美化する人がいますが、戦前・戦中、国民は主権者ではなく、天皇の従属者だったんです。人間扱いじゃなかったのです」
小西「今回の法案もそうです。戦争できる法案であるのに、立法事実もない。そんなめちゃくんちゃな法案で、日本国民が、死ぬかもわからない戦争に突入し、自衛隊員が戦死するんです。こうなってしまったのも、憲法前文の平和主義を、日本社会全体のものにできていなかったんです。できていれば、昨年の7月1日の閣議決定を止められたんです。
さらに憲法前文は『② 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。』と3つの『平和主義』を掲げています。憲法前文の『平和主義』は素晴らしいのです。なのでこれからの運動で、この憲法の3つの『平和主義』理念を、それぞれの人の声で広げていく。諸国民の連携を作っていって、そのことによって日本国民の安全と生存を確保し、平和国家の土台を固めようという運動です。それは、非常に価値のあることです。
(③ 『われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。』