「福島第一原発汚染水の海洋放出」には、日本国内はもちろん海外でも安全性を懸念する声が大きくなってきていますが、10月24日、梶山経産相は、「27日」に予定していた「決定」を「来月以降に延期」することを発表しました。反対の声を無視しきれなくなったからではないかと思います。「延期」を「断念」に変えさせるまで、情報を広げる努力を続けたいと思っています。(セワヤキ)
♣今年1月の会見で、まだ汚染水の貯留タンクを作る余地があると回答していた東電!メディアを使って貯留タンクを作る余地はないと地元にプレッシャーを与え続けていた!? ~10.22 東京電力 定例会見 2020.10.22 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/483150
※処理済汚染水の海洋放出決定が迫る中、福島第一原発の貯留タンクは「敷地内に全く作れないわけではない!」1月14日の会見で東電広報担当者が言明していた!? ~東京電力 定例会見 2020.10.26 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/483386 (おしどりマコさん質問1:37:50 ~)
♣松久保肇・日本原子力資料情報室事務局長 インタビュー「原発汚染水、ひとまず地上のタンク保管が最も現実的で安全」https://news.yahoo.co.jp/articles/d5241abced4f4fd284f9a975e0996f2ace6823ed
松久氏:「最も現実的な選択肢は、ひとまずタンク保管を継続することだ。福島第一原発には土地がないというが、周辺には放射性廃棄物を保管するための広大な土地(中間貯蔵施設)がある。経済産業省は他の目的には流用できないといっているが、地権者などと交渉することは可能なはずだ。タンクの容量が足りなくなって放射性物質を海に放出するという選択肢はあり得ない。日本の市民グループは、地上での保管を継続しながら、コンクリートで固めることを提案している。また、海洋放出すれば国際問題になるだろうと政府に警告している」
松久氏:「特に直接の利害関係者となる漁民の反対の声は強く影響する。以前、東京電力は地元の理解が得られない限り、汚染水を海洋放出しないと文章で約束した」
「国連海洋法条約に基づく訴訟などが考えられる。ただ、韓国で稼動中の原発、特に月城(ウォルソン)原発からは大量のトリチウムが放出されている。福島第一原発の汚染水の海洋放出による影響を立証するのはなかなか難しいだろう」
松久氏:「日本政府は原発の使用済み核燃料に含まれるプルトニウムやウランを燃料として再利用する核燃料サイクル政策を推めている。現在建設中の青森県六ケ所村にある六ケ所再処理工場は、その中核となる施設で、2021年の稼動を目指している。この工場は大量の放射性物質を海や大気に放出することになる。トリチウムについてみると、福島第一原発の汚染水の約10倍もの量を毎年放出する計画となっている。福島第一原発の汚染水問題と並んで、きわめて大きな問題だ。韓国でも韓国原子力研究院(KAERI)などが中心となって使用済み核燃料再処理の研究開発を進めている。再処理工場の問題はそれだけではない。プルトニウムは核兵器の原材料にもなり得る。韓国・日本の市民の連帯で、両国の再処理計画を食い止めなければならない」
♣原子力市民委員会が声明:政府は福島第一原発ALPS処理汚染水を海洋放出してはならない 汚染水は陸上で長期にわたる責任ある管理・処分を行うべきである2020.10.20 http://www.ccnejapan.com/?p=11607
声明:(…)現在タンクに保管されている汚染水には、トリチウム以外の多核種の放射性物質が含まれている。東京電力は「二次処理」をするとしているが、「二次処理」した結果、どの核種がどの程度残留するのか明らかではない。また、トリチウムの人体への有害性には諸説あり、薄めて流せば安全などというようなものではない。これらの事実を「風評被害対策」で覆い隠すことはできない。
「大型タンクによる陸上での保管」あるいは「モルタル固化による処分」が、既存の技術によって確実に対処できる望ましい方法である。これによって、汚染水は、陸上で長期にわたって責任ある管理・処分ができる。(…)
♣福島原発汚染水の海洋放出「決定」するとの見通し! 加害者の国が福島県民の声もろくに聞かずに「決定」するとの見通しに市民団体が福島県に反対表明をするよう怒りの要請を!(日刊IWJ 2020.10.23)
市民の声:「政府の方針が決まる前に、被災県として反対の立場を表明してほしい」「県内農林水産団体が海洋放出に反対し、県内59自治体の7割が、反対もしくは慎重にという意見だ。合意とはほど遠い」「政府が出すのは方針案のはず。なぜ加害者の国が方針の決定をするのか? 決定されればその後、協議などできない」「福島県も福島県民も馬鹿にされているんじゃないのか?」
市民会議代表の佐藤和良氏:「海洋放出が決定されれば2年後に実施される。壊滅的な被害を受けることは必至で、風評被害対策では済まされない。実害であって、漁業者は生業を奪われる。さらには一次産業から観光業まで含め、県内の全産業に影響を及ぼすのは必至だ。県民の代表として事前に反対の意思を表明するべきだ。結論ありきの国の進め方を承服することはできない」
韓国では20日、済州特別自治道の元喜龍(ウォン・ヒリョン)知事が記者会見で、日本が海洋放出した場合、領海と国民の安全を守る義務から訴訟を起こす考えがあることを表明しました。(→2020.10.20https://jp.yna.co.kr/view/AJP20201020001600882)
♣汚染水海洋放出と、寿都町の処理施設調査を巡って【鈴木耕の原発耕論】 ゲストは原発取材報告「地図から消される街」著者、朝日新聞の青木美希氏2020.10.26
必見→https://www.youtube.com/watch?v=l3eQGu5jFxY 動画 44分35秒
政府からの説明が住民にほとんどされていないのが現状。住民の間では「せめて半減期12年地上保管してからの海洋放出で被害を少なくしてほしい」という声が多い。居住困難区域にある双葉町の住民からは「うちの土地を無料で使用して構わないから、海洋放出などせず置いておいてくれ!」という声さえ出ている。
※静岡県は、御殿場市と小山町で採取された野生キノコから国の基準を超える放射性セシウムが検出されたと発表しました。御殿場市の野生キノコのセシウム量は国の基準値100ベクレルを超える170ベクレル、小山町では130ベクレルでした。県は、「健康に害を与える可能性がある」としてこの地域に生育する野生キノコの採取や出荷を控えるように呼びかけています。(静岡朝日テレビ2020.10.06)
https://news.yahoo.co.jp/articles/51a52cd27d06e65db00814475448c872acc554e6