米中外交協議での激しいバトル 2021.03.20
♣2021.03.18アンカレッジでの米中外交協議で米側が冒頭いきなりの喧嘩腰発言! 直前の日米2プラス2協議共同文書でも名指しで批判されていた中国は、一度退出したメディアを呼び戻して米国の無礼やダブルスタンダードを徹底批判!2021.03.20 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/48495 (以下、要点)
※【発言詳報】米中外交当局トップの初会談 異例の非難応酬(NHK 2021.03.19)https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210319/k10012923711000.html
【米国側】ブリンケン国務長官、サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)
【中国側】外交担当トップの楊潔チ、共産党政治局員王毅外相
会談冒頭、ブリンケン国務長官
▶「私は最も緊密な2つの同盟国である日本と韓国との会議から戻ったばかりで、両国はこの会談に強い関心があった。会談の内容がアメリカと中国だけでなく地域と世界に関わるからだ」
▶「われわれの政権はアメリカの利益を促進し、ルールに基づく国際秩序を強化することに取り組んでいる。これは各国が違いを平和的に解決することに役立つ。ルールに基づく秩序に代わるものは、力が正義で勝者がすべてを手にする世界であり、これは世界をはるかに暴力的で不安定にする」
▶「きょうは中国がわれわれの意図や取り組みを理解できるよう国内外の優先課題を議論し、中国の行動に対するわれわれの深い懸念、新疆ウイグル自治区や香港、台湾、アメリカに対するサイバー攻撃、同盟国に対する経済的威圧についても話し合いたい。これらは世界の安定を維持するルールに基づく秩序を脅かしているため、ここで取り上げる義務がある」
サリバン大統領補佐官
▶「われわれはアメリカの外交政策の基礎となる同盟国や友好国との関係を再び強化させている。こうした国々との連携こそが発展と繁栄をもたらすものだ」
▶「バイデン大統領は先週、4か国のサミットを主催し、自由で開かれたインド太平洋の実現を約束した」
▶「経済的、軍事的な抑圧から基本的な価値観への攻撃まで長官が提示したさまざまな懸念事項を率直かつ直接的に明確さをもって議論していく。これらの懸念事項はアメリカ国民だけでなく世界中の同盟国や友好国からも聞いている。争いは望んでいないが、厳しい競争は歓迎する」
中国外交トップの楊政治局委員
▶「中国と米国はともに世界の大国で、世界と地域の平和、安定、発展に対する重要な責任を担っている」
▶「アメリカにはアメリカの民主主義があり、中国には中国の民主主義がある。アメリカはみずからの民主主義を押し広めるべきではない」
▶「問題は、アメリカが武力と金融覇権を使って他国に圧力をかけ、国家安全保障という概念を乱用し、正常な貿易を妨害していることや、一部の国をあおり立て中国を攻撃していることだ」
▶「新疆ウイグル自治区、チベット自治区、それに台湾は中国の不可分の領土であり、内政に干渉する行為には断固として反対し対応する」
▶「アメリカの人権問題は根深い。この4年の間に浮上したものではなく、黒人への殺りくは昔からある。他国に矛先を向けるべきではない」
▶「アメリカが普遍的価値や国際世論を代表することはできない。アメリカが代表できるのはアメリカ政府の考えだけだ」
▶「お互い大国としての重要な責任があり、新型コロナウイルスへの対応や経済の立て直し、それに気候変動などは共同の利益となる」
▶「両国の新たな関係のもと、改めて意思疎通を行い、互いの違いをコントロールし、ともに努力をして協力をしていくべきである。対立はなにも生まない。改めて健全で安定した発展の軌道に戻ることを期待している」
▶「あなたたちのあいさつは普通ではなかったので、私のあいさつも少し普通と違うものになりました」
王毅外相
▶「両国には未曽有の困難があり中国だけではなく世界の発展を損なってきたが、このまま続けてはいけない。アメリカは、香港問題での中国に対する制裁度を引き上げたが、われわれは断固として反対する。これは私たちがアラスカに出発する前日に行われたことで、ホスト国としてするべきことではない」
ブリンケン長官
▶「国務長官として世界の100近い国と話し、最初の外国訪問として日本と韓国も訪れたが、私が聞いている話はあなたの主張と大きく異なる。私が聞いているのはアメリカの復活と同盟国や友好国への関与に対する深い満足と中国の行為に対する深い懸念だ」
▶「私たちが世界に関与する上での指導力は完全に自発的に構築された同盟や友好関係によるものだ」
▶「アメリカは国内ではより完全な団結を目指し、不完全さや過ちを認め、開放的に透明性をもって立ち向かってきた。課題から目を背けたり、存在しないように装ったり、隠したりしない」
サリバン補佐官
▶「問題の解決には世界の同盟国や友好国と協力することが最善だと信じている。今回の会談が一方による講義や長くてまわりくどい声明ではなく、お互いの考えがどこからくるものなのか、重視する原理原則や優先事項、長期的な戦略について説明し、耳を傾ける機会になることを望む」
楊政治局委員
▶「アメリカを好意的に見すぎていた。基本的な外交儀礼を守るべきだ」
▶「われわれとしっかりとつきあいたいのであればわれわれは互いに敬意を払ってつきあうべきだ」
▶「われわれが西洋人から受けた苦しみはまだ足りないというのか。外国から押さえつけられた時間がまだ短いというのか」
▶「中国の首を絞め、抑圧しようとしても最後に損をするのは自分自身だ」
王外相
▶「他の国を軽々しく脅すようなことはすべきではない。誰が誰を脅しているのかは歴史と国際社会が結論を出す」
※「米日は対中国『小集団』の形成を直ちに止めるべき」(人民網日本語版、2021.03.18)http://j.people.com.cn/n3/2021/0318/c94474-9830198.html
中国外交部(外務省)の趙立堅報道官(IWJ:米国の偽善と「日米同盟」という大義のもとで戦争に巻き込まれようとする日本の危うさを的確に示唆)
▶「中国側はこれに強い不満と断固たる反対を表明する。米日に対して、直ちに中国への内政干渉を止め、対中国『小集団』(セワヤキ: 日米同盟やクアッド*を指す?)の形成を止めるよう促す」
▶「世界には1つの体制しか存在しない。つまり国連中心の国際体制だ。そして世界には1つのルールしか存在しない。つまり国連憲章の趣旨を基礎とする国際関係の基本準則だ。米日に国際体制を一方的に定義する資格はないし、ましてや自らの基準を他国に押し付ける資格はない」
▶「米日は冷戦思考に固執し、意図的に集団的対立をし、反中『包囲網』*を作ろうとしている。これは完全に時代の潮流に逆行する動きであり、平和を求め、発展を図り、協力を促すこの地域と世界の圧倒的多数の国々の共通の期待に反する。米日のこの行動はこの地域に混乱だけでなく衝突をもたらすだけであり、地域の平和と安定に禍をもたらして乱す『米日同盟』の正体を世界の人々に一層はっきりと見せつけることにしかならない」
▶「日本は中国の台頭と復興の阻止という利己的目的を満たすため、米国の顔色をうかがって戦略的属国となることに甘んじ、信義に背いて中日関係を損なうことを辞さず、地域全体の利益を売り渡すことも辞さない。このようなやり方は誰からも相手にされないし、人々の支持を得られない」
Q: *クアッド(QUAD=Quadrilateral Security Dialogue日米豪印の戦略対話)は何のために?
A: マラッカ海峡封鎖で中国への石油供給ルートを妨害するためだろう。
*安倍総理による論文「セキュリティ・ダイヤモンド構想」IWJ全文翻訳掲載 2015.7.4 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/251637 (日本語での論文公表は拒否?)
*標的は中国:目標ばらばらなクアッド Binoy Kampmark Asia-Pacific Research 2021.03.11 http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2021/03/post-e6cccb.html
※ミャンマーと日本の因縁 中国封じ込めと日米豪印同盟のウラ【田岡俊次の徹底解説】20210224 必聴⇨ https://www.youtube.com/watch?v=QllD2svtKbI