アメリカ(&NATO)の汚名――リビアとベネズエラの例
自衛隊と米軍が粛々と一体化を進めています。米軍指令下に入ることになっている自衛隊は、これからどんな状況に置かれることになるのか? これまで米軍が関与してきた”紛争”の実態を、日本国民は把握・検証した上で、この米軍との一体化を黙認しているのか? (* = セワヤキ注)
※自衛隊について学ぶ市民集会――講師 井筒高雄氏(元陸上自衛隊レンジャー隊員、「主権なき平和国家」の著者) 2019.2.2 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/441081(目下全編視聴可!)
※リビアの「来た。見た。彼は死んだ。」がベネズエラで繰り返されるのだろうか?Brian CLOUGHLEY 2019.2.12 Strategic Culture Foundation http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/post-e351.html
…カダフィのリビアでは、世界保健機構WHOが詳述しているように、政府は「プライマリ・ヘルスケア組織を通して、全ての国民に対する無料の、予防的、治癒能力があるリハビリテーション・サービス、医療センターや地区病院を含め、包括的医療」を提供していた。平均寿命は75歳(インドの66歳;エジプトの71歳、南アフリカの59歳に対して)で、CIA世界ファクトブックはマレーシアやメキシコやサウジアラビアより高い94.2%の職字率だったと指摘した。…
(*イギリス人記者の証言必読 ➡http://fmvenus.muragon.com/entry/10.html )
…アメリカ- NATO大空爆(飛行機とミサイルによる7カ月の攻撃)は成功し、カダフィは反乱軍に打倒され、捕らえられ、その上……このニュースで、アメリカ国務長官ヒラリー・クリントンはくすくす笑い、笑いながら言った「我々は来た、見た。彼は死んだ。」… (*必読 ➡https://fmvenus.muragon.com/entry/49.html )
※ベネズエラの白人優越主義がトランプ・クーデターの鍵
2019.2.8 http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/post-76be.html
ベネズエラで何が起こっているか、私は3枚の写真で説明することができる。
一枚目、ニューヨーク・タイムズに堂々と掲載された、妻と子供と一緒のベネズエラの自称(そしてトランプも宣言した)大統領フアン・グアイドの写真がある。二枚目、国民議会、グアイドの党の集合写真、雪のように白い議員たち。特に、彼らと政治的に反対の、当選したニコラス・マドゥロ大統領を支援する議員たちの3枚目と比較すれば、マドゥロ支援者、ほぼ全員、肌の色がもっと濃い。
これがニューヨーク・タイムズ記事が(*意図せずして暴露してしまった)、アメリカの他の体制派マスコミも語らない、ベネズエラの黒と白の物語だ。今年のいわゆる大衆反乱には、その核心に、貧しい(混血の)より多数派のメスティーソが、彼らに置き換わっていることに対する、より白い(そしてより裕福な)ベネズエラ人の激怒の反発があるのだ。自分の祖先はヨーロッパ人だと考える人々による4世紀にわたるベネズエラの白人優越主義は、過半数のメスティーソによる圧倒的支持で勝ったウゴ・チャベスの1998年の当選で終わった。白人優越主義からのこの転換は選挙で選ばれたチャベス後継者マドゥロの下で続いている。…
※焦る米国のベネズエラ転覆策動 ――石油暴落による混乱に乗じて反米政権を攻撃―― https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/10884
・・・ベネズエラでは、反植民地政策を実行したチャベス大統領が死去(2013年3月)して以降、後継者であるニコラス・マドゥロ大統領が「21世紀型の社会主義」を掲げて国政の舵をとってきたが、米国の経済制裁を受けて国内経済は悪化の一途をたどってきた。
・・・自国の覇権を脅かすこれらの動きを憎悪する米国は、ベネズエラ国内の旧支配勢力と結託して過去21年間に6回の大統領選挙に対抗馬を立てたものの一度も勝つことができず、2002年には軍の一部によるクーデターをけしかけてチャベスを拘束したり、石油公社のゼネストを仕掛けるなど干渉を強め、昨年8月にはドローン爆弾によるマドゥロ大統領の暗殺未遂事件まで起こした。
…現在、急激に進んでいる原油安【折れ線グラフ参照】も制裁措置の一環といえる。・・・石油収益に依存してきたベネズエラにとって原油価格の暴落は大打撃となり、デフォルト(債務不履行)寸前になるほど国内経済は危機に直面した。さらに米国政府は、ベネズエラへの制裁を強め、経済の支柱である国営石油公社PDVSAを標的にした経済制裁を発動。・・・
ベネズエラ国内で起きている抗議デモは、チャベス以来の改革を否定するものでも、米国の介入を支持するものでもなく、むしろマドゥロ政府がこのような外圧の介入に有効に対抗できていないことに対する反発が大勢を占めていると現地のジャーナリストがのべている。
・・・親米路線への回帰を主張するグアイド国会議長が「暫定大統領」に名乗りを上げると、すぐさま米国政府は承認したうえ追加制裁を発動し、マドゥロ政府の退陣を要求した。このグアイド国会議長と米国との背後関係が暴露されている。
・・・アメリカ開発援助庁(USAID)や共和党国際研究所(IRI)、投資家ジョージ・ソロスが設立にかかわる政府系NGOの全米民主主義基金(NED)などからの資金援助を受けている。民主化要求運動の活動家を養成することを目的としているが、米国務省やCIAの指令を受けて世界各地で活動し、中央アジアでの「カラー革命」や中東の「アラブの春」などで、米国政府の意図に従って反米的な政府の転覆に関与してきたことが広く知られている。
・・・グアイドは「私が大統領になれば欧米からの支援物資が得られる」と国民に支持を呼びかけているが、制裁によって経済的困難に追い込み、その苦しみを利用して政治的主導権を奪うという手法は、イラクをはじめ世界各地で米国が使ってきた常套手段である。米国自身も直接関与を隠そうとしない。ボルトン大統領補佐官(安全保障担当相)は、「ベネズエラの広大な未開発の石油埋蔵量のため、ワシントンはカラカス(首都)での政治的成果(クーデター)に大きな投資をしている」「アメリカの石油会社にベネズエラへの投資と石油生産を可能にすることができれば、それは経済的にアメリカにとって大きな利益をもたらす」と放言し、これに対してベネズエラのアレアサ外相は「もはやワシントンはクーデターの黒幕というよりも、攻撃の前線に立ち、暴力を煽って従順なベネズエラ野党に命令を出している。証拠はあからさま過ぎて米国内ですら疑う人はない」と反論している。…軍事的、経済的な圧力を行使して主権を奪いとる凶暴さは、世界中で覇権が縮小しつつある米国の焦りの裏返しでもある。…