アベ政権のまやかしとその正体 Ⅱ
「桜を見る会」騒動の裏で何が起きているのか?!
衆院外務委員会は15日、日米貿易協定の承認案を自民、公明などの賛成多数で可決しました。19日に衆院本会議で可決後、20日から参院で審議が始まる見通し。与党は来月12月9日の今国会会期末までの承認を目指しています。
しかし、この日米貿易協定において、日米の担当者間で合意がなされるまでの交渉の過程で、具体的にどのような協議がなされ、どのような見込みをもってお互いの要求を呑んでいるのかがほとんど明らかになっていません。国会の場で野党側が質問すると、与党側は決まって曖昧な答弁に終始しているというのが現状です。
東京新聞によると、外務委員会や農水委員会などを合わせて審議時間は計14時間2分にとどまったとされています。TPP12の審議でさえ、衆院で約70時間、参院で約60時間を費やしており、日米貿易協定における審議時間の短さには驚かされます。(日刊IWJガイド2019.11.15/17参考)
※日米貿易協定案 審議14時間 衆院委で可決、拙速懸念(東京新聞2019.11.16)https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201911/CK2019111602000169.html
※15日の衆院外務委員会で、日本の食料・経済主権を破壊する日米貿易協定とデジタル貿易協定の承認案が自民、公明、維新などの賛成多数で可決http://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-11-16/2019111601_04_1.html
日本を破滅に導きかねない日米貿易協定の正体は?!
日本政府の説明では、これは『日米間での物品貿易協定(TAG)』だが、AP通信は、「日米FTA交渉入りに合意(US, Japan agree to negotiate a free trade agreement.)」とはっきり報じている。日本政府の主張する『TAG』の正体は実はFTAなのだ。言葉をごまかして「FTAを回避した」という屁理屈で実態を知られないようにしている。日米共同声明では、「物品の関税撤廃交渉とともに、サービス分野などの自由化交渉も同時に開始する」としており、これは、紛れもないFTAなのである。
外務省によると、対外交渉において日本はFTAだけでなくEPAの締結を軸に求めている。特定の国・地域間で関税撤廃やサービス貿易の自由化をめざすのがFTA(Free Trade Agreement:自由貿易協定)であり、物品・サービス分野だけでなく投資、知的財産権、競争政策など幅広い分野での制度の調和もめざすのがEPA(Economic Partnership Agreement:経済連携協定)である。
「安倍政権は『経産省政権』ですから自分たちが所管する自動車の追加関税は絶対に阻止したい。代わりに農業が犠牲になるのです(東大大学院教授・鈴木宣弘氏)。」
自動車を所管する官庁は、何を犠牲にしてでも業界の利益を守ろうとする。各省のパワーバランスが完全に崩れ、1省が「全権掌握」している今、自動車関税を「人質」にとられて、国民の命を守るための食料が、格好の「生贄」にされていく「アリ地獄」の恐怖を国民が十分に理解する必要がある。(https://www.jacom.or.jp/nousei/tokusyu/2018/09/180928-36237.php参考)
※「日米FTA交渉をただす!」4.23第12回院内集会―内容:東京大学教授 鈴木宣弘氏 講演会、各省庁担当者との意見交換https://iwj.co.jp/wj/open/archives/447437 2019.4.23(ハイライト10分58秒)
※「日本の農と食の安全が危ない!FTA学習会」が大阪府茨木市の福祉文化会館で開かれ、農業経済学者・鈴木宣弘氏(東京大学大学院教授)が3月にも始まる日米FTA交渉と農業と食の未来についてその危険性を訴えた。https://iwj.co.jp/wj/open/archives/440546
2019.01.26(1時間37分)
「米国による日本収奪」はとっくに始まっていた!
※「なぜ日本だけが成長できないのか」の著者・森永卓郎(経済アナリスト):
日本経済の分岐点が1985年9月22日のプラザ合意(先進5か国(G5)蔵相・中央銀行総裁会議が一方的に円高を要求して、日本がのんだ合意)であり、ここから日本経済の衰退が始まる。
「…同時多発テロが起こった後、小泉総理はホワイトハウスにブッシュ大統領を訪ねたのですよ。当時小泉さんが『日本は自衛隊を派遣してでもこのテロとの戦争に参加します』と言ったら、ブッシュ大統領は『小泉総理、それは良いから日本は1日も早い不良債権処理を進めてくれ給え』と答えた。アメリカはその同時多発テロで経済的に苦しんでいたのですね。それで、『不良債権処理を進めて日本の企業を二束三文でアメリカに全て受け渡せ』ということだったのだと思います。そしてそこから不良債権処理が始まったのですけれども、この後もっと凄いことが起こります。…」http://www.1242.com/lf/articles/147644/?cat=politics_economy,life&pg=happy
※「年次改革要望書」(アーミテージレポート)は、1993年の宮沢―クリントン会談で合意し、翌年から毎年10月に提出されるようになった。表面的には日米両国が互いに要望書を交換する形態をとるが、日本側の要望はまったく実行されない。その実態はアメリカ側が日本に押しつける一方的な政策命令にほかならない。しかもアメリカの要求は通信、医療機器・医薬品、金融、エネルギー、流通など多岐にわたり、法律業務、競争政策をふくめ、国の制度自体を変える内政干渉を含んでいた。https://www.chosyu-journal.jp/seijikeizai/9571
※【IWJブログ】CSIS「第3次アーミテージレポート」全文翻訳掲載 2013.2.3 https://iwj.co.jp/wj/open/archives/56226
※発行部数20万部に迫るベストセラー『日本が売られる』の著者・堤未果:
「一言で言うと、『国家まるごと民営化』ということです。相次ぐ法律の改正や規制緩和は、グローバル企業に背中を押された政府が、企業のためのビジネスしやすい環境を整えているということなのです。」https://kokocara.pal-system.co.jp/2019/05/20/japan-is-sold-mika-tsutsumi/
※【アベ政治のまやかし】「美しい国」が売られる~森・水・海・農・医療2019.06.25 https://www.youtube.com/watch?v=Z1PWsxTm-BM (動画 51分50秒)
2019年 11月 17日 セワヤキ