米国にとって日本は何?!
米、中距離ミサイル実験
※米、中距離ミサイル実験 INF条約破棄 失効後初(東京新聞2019.8.20)https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019082090135536.html
米国防総省は、ミサイルは地上の移動式発射装置から発射され、500キロ以上を飛行し標的に着弾したとしています。エスパー国防長官はアジア太平洋地域の米軍基地に地上発射型中距離ミサイルを早期に配備したいとの考えを示しており、日本が導入を進める地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」からも発射可能と見られることから、日本に同ミサイルが配備される可能性が高まっています。
米国の発射実験を受け、ロシアと中国は警戒を強めています。ロシア外務省のリャプコフ次官は、ミサイル発射を受け「緊張を高めているのは米国」であるとして批判しました。しかしながら、リャプコフ次官は「ロシアは軍拡競争にはのらない」とし、「米国が新たなミサイルを配備に踏み切らない限り、ロシアも配備しない」として、あくまで米国の動向を注視するとの意向を示しました。
「オフショア・バランシング戦略」
「オフショア・バランシング戦略」とは、海の向こうの大陸にAという巨大な勢力が台頭してきた時、同じ大陸のBという別の勢力を後押しして、AとBを対立させて相討ちにし、自らは沖合に引いて犠牲を最小限にすませ、漁夫の利を得る、という戦略のことです。
現在の国際情勢に当てはめるとするならば、以下のようになるでしょう。
つまり、日本が核武装を試みることで、中国との関係は取り返しがつかないほど緊張し、米国はこの緊張関係を政治的に利用しつつも自らは沖合に引いてバランスをとる――要するに、米国自らは沖合に引く一方で、日本と中国との間で起こる紛争に巻き込まれず、日中間の限定戦争にとどめ、漁夫の利を得る、という戦略となります。
仮にどちらかが先制攻撃することとなれば、核報復攻撃先としてイージス・アショアが配備される秋田・山口は避けられず、米国の盾として、核の戦場となる危険性があります。
これほどの重大ニュースにもかかわらず、8月20日付けで発行された朝日新聞の夕刊はこの話題について小さく取り上げるのみで、一面はラグビーのワールドカップの話題となりました。
(以上,日刊IWJガイド、2019.8.7)
イージス・アショア導入 『日本防衛』ではなく『米国防衛』のため?!
※秋田・山口 「米国防衛」の「適地」// 陸上イージス配備先 専門家が指摘// ハワイ・グアム射程の直下https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-06-18/2019061801_01_1.html(北朝鮮の弾道ミサイル基地~秋田・萩~グアム・ハワイの位置関係一目瞭然――地図提供・福留高明氏)
「やはり『アメリカありき』だった―。陸上配備型ミサイル迎撃システム『イージス・アショア』の配備をめぐり、防衛省は陸上自衛隊新屋(あらや)演習場(秋田市)、むつみ演習場(山口県萩市)を『適地』としました。しかし、とりわけ新屋に関しては、データの誤りや二転三転する説明(別項)で、「適地」とする根拠が崩壊。それでも防衛省が『新屋ありき』の立場を変えないのは、『米国防衛』のための『適地』だからという可能性が指摘されています。
(…)『日本はTHAAD(高高度防衛ミサイル)かイージス・アショア、あるいは両方の導入を決断すべきだ』『日本がこれらを購入すれば、われわれが配備しなくてすむ』。2017年4月27日、米太平洋軍のハリス司令官(当時)は米上院軍事委員会でこう証言しました。(…)日本がイージス・アショアなどを導入すれば、米軍の負担軽減になる―。あまりに露骨かつ正直な発言と言えます。
(…)イージス・アショア導入は『日本防衛』ではなく『米国防衛』のため。しかも(米朝対話で)『米国防衛』の必要性自体が消えつつある今、6000億円もの巨額な費用を投じて導入する必要は何らありません。」(文:竹下岳氏)
※「米国にいくミサイルを日本が攻撃すれば日本にミサイルが飛んでくる」// 先制攻撃による敵基地攻撃が北朝鮮の容赦ない反撃を招く!? // 岩上安身が元外務省国際情報局長・孫崎享氏に訊く! 2017.8.12https://iwj.co.jp/wj/open/archives/395300
※日中の軍事バランスは核兵器を含めて1対100!? //「真珠湾攻撃の時と同様、(日本が勝つ)戦争にはなり得ない」// 岩上安身のインタビューで孫崎享氏が「日米開戦の正体」を暴く! ―第2弾 2015.8.3https://iwj.co.jp/wj/open/archives/256172
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2019年 8月27日 セワヤキ